ISOLA-十三番目の人格-
ISOLA-十三番目の人格- / 感想・レビュー
かずー
賀茂由香里は、人の強い感情を読みとることができるエンパス。震災ボランティアを通して多重人格者である少女千尋に出会い、彼女の心のケアに努める。やがて十三番目の人格・ISOLAに対面し、とても危険な存在であることが分かる。阪神大震災を舞台にすることで、実話のような錯覚におちいる。千尋がどうなるのか、ISOLAの正体は何なのかが気になり先を読みたくなる面白い作品であった。
2020/11/06
みんく
貴志さんデビュー作品。確か10年以上前に読んだことあったけど再読。多重人格だけではなく、他人の心が読める由香里、幽体離脱の実験とか、そして阪神大震災というリアルな大悲劇を背景にして、読みごたえのある作品だった。多重人格のひとって人格によってアレルギーや病気まで違ったりするのが興味深い。でも本人の苦労は計り知れない。貴志さんの他の作品にもチャレンジしたい。
2018/09/02
いちろく
イベントで手元にきた本。カウンセラー的なボランティアをしている由香里が、多重人格の少女千尋と出会ったことから物語が動く展開。著者の作品ならば単なる多重人格モノでは終わるはずは無い、とページを捲っていたら想定外の方向に進んだ点には驚いた。事前の予備知識無く読了したので、奥付の刊行時期をみてジャパニーズホラーが流行った90年代の頃の作品群にも連なる作品と分かり、納得出来た部分もある。ハロウィンの時期に怖い話というのは安直かもしれないけれど、久々にこの手の作品を読むと懐かしさもあったのも、事実。
2022/10/29
らなん
貴志さん15冊目。1999年。20年以上前の作品になるが、今読んでも全く古い感じがしない。強いて言えば、喫煙や携帯電話がなく、公衆電話が使われているところだろうか。13の人格を持つ女子生徒を助けようとする、普通の人にはない能力を持つ女性の話であった。人間の不可解さ、執念深さを存分に味わえた。
2023/02/02
kumako
心理学の本を読むのが好きなので、多重人格の千尋の人格をどのように統合していくのか興味を持って読み進んでいました。が、途中から同著者の“悪の教典”のような、追われるホラー感が強くなり、読み始めに期待した方向とは違う方に向かって行き、1冊の本で2度楽しめました。ラストで問題が解決していないのが少々不満ではあります。
2021/01/11
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