アラビアの夜の種族
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アラビアの夜の種族 / 感想・レビュー
徒花
おもしろいんだけど……うーん、ハマりきれなかった。序盤はグイグイ読み進められるのだけど、後半、物語が収束に向かっていくところでファンタジー色が強くなりすぎるし、激しいバトルシーンの描写を細かくやりすぎているのが一因かもしれない。しかし、「書物」をテーマにした壮大な物語としては著者の力量が存分に感じられ、なかなか圧倒される。本好きによる本好きのための物語であり、そして本が読者を飲み込んでしまう物語でもある。あまり時間をかけず、連休などを使って一気に読んだほうがたぶん楽しめる。
2017/10/24
さっとる◎
放たれた「物語」という名の刺客。常に1対1である読者と書物。愛書家の愛書家による愛書家のための…本を読む人間で良かった、こういう一冊に出逢いたいがために日々、読む(*^^*)千年の時間に翻弄され運命に弄ばれ物語の海に溺れ、続きが、続きがと、語られる夜を待ちわびる。真実の歴史と、語られ拡散し不滅となる砂の年代記。冒頭こそ読みにくいのか!?と懸念したけども、ズームルッドが語り始めるとともに語られるのと同じ速度で物語を追いずっぷり嵌まりこみ抗う術なし。まさに至福の読書体験な、年末(*´-`)
2015/12/30
りんご
びあー、長かった。。。ナポレオンの進軍を足止めするために面白い本を編纂するぞ。語り部が紡ぐお話と、進軍を並行して語ります。夜が来る、語られる。(あと何日この夜は続くのだろう)と途方に暮れるが、残りのページが減る喜びで、どうにか気力を振り絞る。で、十九夜、二十夜、二十一夜。ふっ、とうとう語り部も疲れたのだな、と吹いた。その辺から今度は急に自分の世界に登場人物たちが飛び出してきてびっくりこいちゃったね。「物語とはなんぞや」ときた。ふぁー、そういう。なるほど大きい世界でした。お疲れ様、私。
2023/02/12
田氏
ナポレオン某ナパルトの侵攻を目前にした1798年のカイロ、その渦中で毎夜「譚られる」ファンタジー。作中話それ単体を抜き出しても、われわれ王道RPG育ちのおっさんお姉さんのハートに強烈なベアクローをかましてくる。しかしこの小説全体を眺めてみると、メタ構造のなかで物語ること・それを読むことそのものを、さらなるメタ階層から語っていて、読書趣味者のハートどころか全身を飲み込んでいる。語彙や当て字を駆使する一方で妙にライトな台詞回しは、著者(いや訳者と書くのが正しい文法だ)の露悪と感じないでもないが、問題ではない。
2020/07/02
ちょこまーぶる
やぁ~長かったぁ!この本は通勤の往復で読む本ではありませんね。腰を据えてじっくりと読む本だとつくづく感じました。読解力が劣っているのか?しっかりと内容を把握できたかって言うと???で、壮大な話で展開についていけなかったという感想です。いつかは再読したいと思いました。
2012/04/27
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