あ・じゃ・ぱん
あ・じゃ・ぱん / 感想・レビュー
晴天
「分断日本の戦後史」を描いた作品としては珍しく、天皇や言語に焦点を当てた意欲作。「日本分断」と聞くと架空戦記やポリティカルフィクションなど、マクロな視点から生硬な語り口で描いたものを思い浮かべるが、本作はユーモア溢れるアメリカ人ジャーナリストの目を通して分断日本を軽快なタッチで描く点でも異色。それでいてアイロニーや風刺に満ちた、刺激的な逸品。
2009/12/07
河村祐介
震災後、原発関係のニュースを見ながら読んでいた。“まじめ”とされる日本の官僚機構の、その裏側にじっくり巣食う“まぬけ”な気性がいろいろ大変なことを引き起こし、ているのになにもおきてないようにつくろうというのはまさにここにも描かれてる。そしてそれはそのまま震災後の諸処と原発事故でまさかの現実の。
2011/06/27
可兒
読む日を間違えたとしか言いようがない。笑える分始末に困る
2008/08/15
dknk
「昭和」を題材にしたスラップスティックSFと見せかけておいて、きちんとハードボイルドの文法でかたをつけ、更にオチを仕込む腕力は流石。あまりのネタ密度に楽しみ切るには再読必須か。ただ、個人的に矢作俊彦の文章いまいち乗り切れないのでしばらく気力が
2014/09/30
カワセミ440
やっぱり面白かった。夕べは春の嵐で新小岩駅に4時間近く缶詰。たまたま座れたから良いものの。良いのか悪いのか、一気に読み終えました。矢作俊彦、恐るべし。『ららら科学の子』も良かったけど、この『あ・じゃ・ぱん』は代表作の一つかな?並行世界って結構難しいテーマだと思うけど厚さを感じさせない文章は矢作さんの力なのでしょう。田中角栄ってそう見れば良いおっさんだったと思う。平岡(三島由紀夫)の扱いってそんな風に描いちゃって大丈夫なんだろうか?今は無き『NAVI』連載時には気がつかなかった事が多い事に気付きました。
2012/04/04
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