一角獣
一角獣 / 感想・レビュー
つね
初読み。短編、掌編集。各編、冒頭の一文で引き込まれる非日常的で甘美な雰囲気。女性の深い情念を描いた世界も、この短編でちょうど良い深みで収まる。この先は?くらいでちょうど良い。一角獣も良かったが、光きらめく海も良かった。短編以外も読んでみたい。
2019/07/20
橘
面白かったです。さらさらと読めましたが、女の情念をひたひたと感じました。挿絵も綺麗で、お話の不思議な感じにぴったりでした。「一角獣」で描かれた純潔が印象的でした。「妖かし」が好きでした。
2016/02/19
シュラフ
アンデルセンの童話である『絵のない絵本』を思い出してしまった。小池真理子さんが あとがき で書いているように 絵葉書の中にも収めてしまえそうな短編集。ひとつひとつの作品の その情景が 挿し絵のように浮かびあがってくるように美しい。とはいっても そのネタは童話のような浮世離れした話ではない。男女のよりそえない事情、老夫婦の死別、過ぎ去ってしまった過去、など実際の身のまわりの理由ありのようなことがテーマになっている。童話のような美しい世界は本の中だけでなく、気をつけてみれば現実社会の中にもあるのかもしれない。
2015/07/20
けい子
上手く説明できませんが、前後の話とかどうでもいいのではないかと感じた。その時、その瞬間の男女のやり取りだけで満足できる話でした。
2020/06/06
rakim
抑制がある中での艶や情や闇を書かせたら一歩抜きんでてると思っている作家さんの小池真理子さん。期待に違わず、味わい深いファンタジックな短編集でした。門脇さんの版画が、小池さんの文章に隠れている濃密さを気付かせるヒントのようにも感じてしまいます。
2015/10/31
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