KADOKAWA Group

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ボヴァリー夫人 フローベール

ボヴァリー夫人 フローベール

ボヴァリー夫人 フローベール

作家
姫野カオルコ
木村 タカヒロ
Gustave Flaubert
出版社
KADOKAWA
発売日
2003-04-07
ISBN
9784048734622
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ボヴァリー夫人 フローベール / 感想・レビュー

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がんぞ

既婚男女向けの絵本/“憧れ”が彼女の破滅の因となった。退屈な夫への不満。夢の実現を熱望、しかしそれが文明の基礎でなかったか?してみると破綻者が文明を進化させ、文明の進歩には死屍累々。/戦争は文明のテストマッチ。普仏戦争で新興国ドイツに敗北。阿片戦争後、支那分取りが迫っている…/誘惑者レオンは誘惑術に長けていて、逃げ足が早かった/19世紀フランスらしく、破綻は婚外セックスではなく経済的行き詰まりから来た。“子供を何人か産んでからは男女ともフリー”という地中海ルールもあり/薬剤師が町の顔役、悪ワル。/砒素の味

2019/10/20

空の落下地点。

「永遠の少女と永遠の少年の物語」...エマは少女病なんだなぁと思った。少女は危ない雰囲気の大人を求めるけど、少年はヒーローになることしか考えてないから。でも、現実のヒーローってのはシャルルのように人助けだけを使命とするもので、全くもって刺激的ではない。悲劇だった。「敏感が鈍感に許される」ことは自分自身を否定することだったんだな。神には許されたいけれど、シャルルには許されたくない...マゾチックな恋人を神聖視したい願望。本当の恋をする権利は誰にでも保証されるものであってほしい。チャンスが平等でないとしても。

2018/03/06

スリカータ

ボヴァリー夫人を読んだことがなかったので、今回初めてストーリーを知った。姫野カオルコさんは巧いですね。高村光太郎や千昌夫のフレーズまで引用するとは。短いセンテンスに煌く言葉。木村タカヒロさんは初めて存じ上げた方だったが、コラージュも良かった。表情にドキッとするようなリアルさがある。他の作品も拝見したい。シャルルは最後までエマを愛していたのですね。純粋と愚鈍は背中合わせ。疑わなかったのかな。切ないね。

2012/12/23

bakumugi

姫野カオルコの軽快なテンポの文体と木村タカヒロのイラストのバランスがよく、ページを繰る手が止まらない。無粋で退屈は罪。若い女主人公エマが内に秘める不毛な怒りを木村タカヒロのコラージュ画がえも言えぬ眼力で訴えてくる。ラスト「失うだけの人生だった。」あがくでもなく、後悔するでもなく、私もそんなセリフを吐いて死にたいと思う。自分の中で反響した絵、文章、久しぶり。大人に薦めたい絵本。

2012/05/08

グーグー

映画「ボヴァリー夫人とパン屋」を鑑賞する前に、この大人の絵本でちょっと勉強。姫野カオルコさんが、19世紀半ばのフランスの田舎・地方都市生活を、挑戦的に、歯切れよく語る。木村タカヒロさんの絵・コラージュは、どろどろとしたこの作品世界に合っている。

2015/08/11

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