失はれる物語
失はれる物語 / 感想・レビュー
pino
愛とか思いやりなんて言葉が似合わない作品集だと思う。ホントは、それらに溢れているのだけど言葉にすると嘘っぱちになってしまいそう。描写には突発的・衝動的な事件・事故が多い(ご本人もそう書いていた)。また、心を繋ぐアイテムとして、猫・手・傷・指(生きている・死んでいる)などが奇抜な形で活躍している。そのアイデア魅かれながら登場人物の繊細な心の動きも体感することになる。切ないが温かい気持ちになれる一冊。派手な事象に注目しがちだが苦しみとは個人的なもの。「代わってやれんけど」と、ただ話を聞いてくれた友だちを想う。
2014/03/10
風眠
1話目の『Calling you』を読んでる途中で、あれ?この話知ってる?って思ったら、映画で見たんだった。頭の中の携帯電話。原作、乙一だったのか、そうだったのか。そのほかの物語もどれも素敵できゅんとする感じで、その中でも特に好きなのは、『手を握る泥棒の話』と『しあわせは子猫のかたち』の2篇。腕時計とか、メモとか、子猫の行動とか、実像が分からない(または無い)ふたりを繋ぐ小道具の使い方が印象的。それにしても白乙一の作品は、泣けちゃって泣けちゃって非常に困ります・・・。泣きたい人におすすめな短篇集。
2012/09/21
たか
むっちゃよい短編集やった 失はれる物語 切なく悲しいはなしやった。いろんな事をじっくり考えたくなった。 しあわせは子猫のかたち この話もすき よくできた小説やった 人にすすめたくなる内容。
2016/01/05
ソース
乙一さん2作目。短編集。どのお話も悲しく切ないけれど、その中に温かさを感じた。特に表題作の「失われる物語」が印象的だった。もし自分が同じ立場になったら…と残された家族のことを考えてしまった。文庫は違う作品も掲載されているようで、子供でも読めそうなので購入してみたい。
2018/04/15
れいぽ
装丁が美しく切ないですね。まさに「失はれる物語」の読後そのものです。全部の話しが幸せな結末ではないのにピタリと静止した水面のように静かな余韻があるのは白乙一ならでは。「「しあわせは子猫のかたち」は好きだなぁ。あと淡々と書き綴った「あとがき」も興味深く読みました。そうですねー。確かに交通事故が多いですねー(爆)
2010/10/13
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