村田エフェンディ滞土録
村田エフェンディ滞土録 / 感想・レビュー
れみ
トルコに留学した歴史研究者の村田が様々な国籍と宗教を持つ人々とともに暮らす日々を描いたお話。たんたんと文化や風土が語られて終わって行くのかと思いきや、中盤からファンタジー的な展開やトルコ革命や戦争の絡むきな臭い展開になってハラハラさせられ、ディクソン夫人の手紙の届く終盤は泣けました…。辛く切ないけどいいお話でした。
2014/07/19
takaC
良い物を読みました。静かに感慨できました。これぞ感慨無量。こんな本の存在を今まで知らずにいたとは情けない。(むらたえふぇんでぃたいとろく)
2013/02/01
みかん🍊
「冬虫夏草」で出てきた村田の土耳古での話、同じように淡々とでも不思議な出来事が述べられていくのかと思ったら、思いがけずの結末に涙しました。土耳古という国には余り馴染みがないのですが、以前和歌山の串本で土耳古の冒頭に出てくる遭難のエピソードの記念碑をたまたま訪れていたので、日本との結びつきが古くからあった事を知りました。一度訪れたい国になりました。「およそ人間に関わる事で無縁なことは一つもない」
2014/11/18
文庫フリーク@灯れ松明の火
「小説は人を動かすわけじゃない。一人一人の人間の身体に染みていくだけだ。ただ染みて、溶ける」浮かんだのは、伊坂幸太郎さんの小説の一節。100年以上前の異国・トルコ舞台の滞在記なのに、違和感無くするりと物語に溶け込めてしまう。国も人種も違い、信じる宗教も文化も違う下宿屋敷の人々。その全てを越えて、なお遥かに、かけがえのない友垣と呼ぶ心。エピローグ、拾われて名前さえ付けられなかったオウムの『――友よ』甲高い叫びが染みる。絶妙な中村智さんの表紙・挿画が、織り成す文章との相乗効果で作品の雰囲気を高める。→続く
2012/02/26
榊原 香織
素晴らしい!珠玉の物語。 どこからこういう話を思いつくんだろう。今まで読まなかったのが残念(でも人は必要な時に出会うものだ) 明治期、エルトゥールル号救助の返礼でトルコ、スタンブールに留学した若き考古学者の話。 シュリーマンの弟子のような下宿のドイツ人やギリシャ人との付き合い、幻想的で不可思議な出来事 オウムとヨークシャ・プティングには笑った
2021/01/26
感想・レビューをもっと見る