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ニート

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作家
絲山秋子
出版社
角川書店
発売日
2005-10-29
ISBN
9784048736435
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ニート / 感想・レビュー

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なゆ

ダメ男だらけの短編集。先に『不愉快な…』を読んでしまったので、乾ってどんなヤツだったんだ?と思って「愛なんていらねー」を読まねばと思って。なるほど強烈。他の短編の印象が薄れるほどに。乾の変態っぷりがすげー。先にこっち読んでたら、絲山さんにショック受けたかもしれないけど、乾がそういう風にしか生きられない哀れなヤツだと知ってるから、そんなに不愉快にならずに済んだかな。「へたれ」の、新幹線のホームから車中もずっと自分に言い訳してるような思考のなかで、それをぶった切るような案内アナウンス、その臨場感がよかった。

2014/10/24

おくちゃん🍎柳緑花紅

めしいらずさんのレビューから☆読んじゃった~!最後に「愛なんかいらねー」に強烈なパンチをくらいました。苦痛の見た目と快楽が似ているって!!!!他の4つは、胸の奥の方を刺激してチョッピリ泣きたい気分にさせる。出直します。^^;

2014/01/18

めしいらず

さすが絲山印の短編集。どれも面白いが、何と言っても「愛なんかいらねー」の衝撃たるや。男の変態的な性行為を嫌悪する理性と、その背徳を畏れつつもモラルから解放されることへ憧れる感情とのせめぎ合い。その心情が主人公の「世の中、消えちまえ」の叫びに凝縮し、迸る。それでも、そんな自分を客観的に俯瞰した沈着な語り。ボクらを搦め捕るモラルという枷を、未知の領域への暗い憧憬を、チクリチクリと刺激して止まぬ。「2+1」と「へたれ」も素晴らしい。目立った出来事でなく、どう物語るかに心を配ることで、読み手をグイグイと引き込む。

2013/11/28

bura

絲山秋子、5作からなる初期の短編集。多分どこにでもいるであろう人々が、主人公となる物語。だがその生と性を作者独特の異質な感性の中で描いていく。各作品に共通する軽やかな会話の流れが重いテーマを心地良い読後感へと変えていく。そこが絲山作品に魅了されるポイントだ。特に表題作の「ニート」と続編の「2+1」が切ない。ニートの「キミ」と作家の「私」は何処へ漂って行ったのだろう。淡々と、然しその余韻がたまらなく愛おしい。

2021/11/25

いたろう

表題作を始め、全五編の短編集。絲山作品には普通の男女がなかなか登場しないとは思っていたが、この短編集に登場する男たちのダメ振りときたら。「ニート」と、続く「2+1」のニート男は、どんなに困窮生活を送っていても、働く気がないという時点で同情の余地なしだし、「愛なんかいらねー」のスカトロジーときては何をか言わんや。そしてその男達を受け入れてしまう女の存在。絲山秋子は、極端な人間を描くことで、人間性を浮き彫りにする。そこでは全く読者の共感を求めず、むしろ読者を突き放す。ここで途方に暮れる読者も多いかもしれない。

2014/08/16

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