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わくらば日記

わくらば日記

わくらば日記

作家
朱川湊人
出版社
KADOKAWA
発売日
2005-12-01
ISBN
9784048736701
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わくらば日記 / 感想・レビュー

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あつひめ

東京オリンピックを数年後に控えた昭和の時代。舗装道路より砂利道の多かった時代。そんな夕焼けの中に浮かぶような物語。不思議な力が姉の体を蝕むかのように、いつの間にか振り回されるように事件に巻き込まれていく。今とは違う家族のかたち、世間との繋がり。なんか…懐かしい世界に迷い混んだ気分で読み終えた。やっぱ…朱川さんだなぁとしみじみしなから。今回も表紙がいいんですよ。表紙も物語のムードつくりに一役かってます。引き続き、昭和の時代をさ迷ってきます。点訳したい1冊。

2013/09/08

紫 綺

昭和30年代を舞台に、姉が超能力を持った姉妹の連作短編。次々と起こる事件を解決していくのだが、どこか優しく、どこか悲しい気持ちになった。私が生まれた頃の話だからだろうか、それとも朱川マジックなのか?

2014/01/14

しろいるか

昭和30年代の東京下町を舞台にした不思議な物語。戦後10数年が経ち高度経済成長の波に乗り豊かになっていく様子や「隣の子も叱る」ような生活が当たり前だったこの時代がとても好きだ。お化け煙突の懐かしい不思議感がこの作品を象徴していると思う。つい先を読み急ぎたくなる巧みな構成でどの話も楽しんだが『流星のまたたき』が一番好き。切なさと永遠と思えるような哀しさが残る。『春の悪魔』姉妹の父の子供時代の話がすごく恐いよ~!そして特筆すべきは姉妹の母。厳しさと優しさ、品の良さ、逞しさ。まさに「日本の良き母」の姿!

2011/10/11

エンブレムT

私にとっては、初の朱川作品です。昭和30年代の、戦争の爪痕が残る東京の下町。貧しくも逞しく生きる人々の生活が生き生きと、でもどこか寂寥感を伴って目の前に広がりました。特別な能力を持つゆえに、陰惨な事件の裏側までも『視る』ことを求められた心優しき美貌の姉さま。彼女の妹・和歌子の丁寧な語りで綴られた、温かくも切ない物語。痛みにも似た彼女の後悔が物語りを覆ってる感じです。『春の悪魔』での母さまのクラさんへの言葉が胸に響きました。その母さまに対し、姉妹は秘密を打ち明けなかったのだろうか?気になる。続きも読みます!

2010/11/04

myunclek

私自身の子供だった時代が、すでにレトロでノスタルジックになってしまっている。朱川湊人の書く舞台は、いつも私に郷愁を運んで来る。儚くも美しい少女のある能力で難事件を解決していく訳だが、そんな謎解きより最初から提示される薄命の定めに心が揺さぶられた。裕福でない生活の中、お互いに助け合わなければ生きて行けなかった時代。貧しいながら、心の豊かさがあった時代。そんな昔を思い出しながら、寂しさの中に優しい気持ちにしてくれるお話たちでした。次作では、哀しい結末が待ち受けているのが予告されているが読まずにはいられない。

2014/11/15

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