受命: Calling
受命: Calling / 感想・レビュー
藤枝梅安
「ヒトラーの防具」で「ヒトラー」の最期を衝撃的に描いた作者が、「朝鮮民主主義人民共和国」の「最高指導者」の暗殺を描く渾身の「フィクション」である。どこまでがフィクションでどこからがノン・フィクションなのかわからない。フィクションとノンフィクションのあいまいな境界線は、あいまいな国境を持ついくつかの国を行き来する人々の活動の場である。作者は、日本と東アジアの歴史とそれぞれの国の現在を描く。圧政に苦しみ日々の生活を送る人々の視点で描かれた支配者層の生活は、舞台となった国だけの話ではない。
2009/11/17
ヤマセミ
北朝鮮が舞台の物語。前半はじっくり丁寧に書かれているが、後半から次第にサスペンスになって、最後はちょっとヤバイじゃないかと思う結末。詳細な描写は聞き取りと想像なのだろうけど、引き込まれて読んだ。
2018/04/26
ムーミン
作者のファンで、毎回いろんな事を知る良い機会となる作品である。
2013/02/25
ハッカ飴
ほんとうに「共和国」であることを取り戻すのはやはりその国の国民自身なのだと改めて思う。フィクションなのでこんなふうにうまくいくかなとは思うけれど、人間が人間であろうとする以上こんな支配の形、こんな国家の体は崩壊にむかわないはずはない。北朝鮮の人びとの解放を願わずにはいられない物語だった。「天下は天下の天下なり」、いいことば・・・本来の社会主義はかくあるべきもの。帚木作品にしばらくはまりそう。
2011/01/23
ぴぴ
受精の続きと読み始めて気づきました。何となくしか覚えてなかったけど大丈夫でした。あのお国の実情が本当によくわかります。いつかこんなことが起きるんじゃないのかな。
2014/10/01
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