女たちは二度遊ぶ
女たちは二度遊ぶ / 感想・レビュー
おしゃべりメガネ
個人的には作者さんの作品の中で1,2を争うぐらい好きな作品です(もちろんもう一作は『悪人』)。正直、スゴく印象に残る作品かといわれると、YESとは言えないのですが、この作品が醸し出すアンニュイな雰囲気は他の作者、作品ではあまり味わえるコトのできない時間だったと思います。特に大きなドラマや展開が待ち受けているワケではありませんが、これだけ平凡な日常をベースにここまで書きあげてしまう作者さんに改めて敬意を表します。好みの作品が別れると思いますが、そこはそこであらゆる角度で楽しんでもらえるのではと思います。
2009/05/24
yoshida
吉田修一さんの短編集。様々な女性が11人登場します。好みはあると思うのですが、吉田修一さんの作品の物憂げな雰囲気が私は大好きです。村上春樹さんの初期の短編集を、もっと現実感を持たせた味わいと言えるだろうか。こんな女性は実在するかなと疑問に思いつつも、物語に引き込まれてラストで切ない気持ちにさせる。「悪人」や「犯罪小説集」のような人の持つ毒についての要素は薄いけれども、吉田修一さんの質感のある物憂げな雰囲気を充分に味わえる短編集。時間の空いた時に好きな短篇から読み進めたくなる。いつかまた再読するでしょう。
2018/03/13
にいにい
吉田修一さんの描く11人の女性。男性目線での女性達。短編、特に短かく女性を著している。読みやすく、サラッとしてるなかに、女性のしたたかさ、自由さ、いろんな顔を持っていることを。そして、それに翻弄される、それを理解できない、試してしまう男性が、存在する。人生いろいろ!だから、面白い。でも、もう少し上手く回ったかも知れない。短いなかに、多くが、詰め込まれた作品群。数篇づつじっくり読むのに最適な一冊。良かった~。
2016/03/29
kinkin
吉田修一、初めての一冊。女にまつわる短編集。まだはじめてでなんともわからないがこの作家の淡々とした文体は気に入った。ねっとりさを取り払った男と女の関係が感じられたので別段タイトルはどうでもいいのだと思う。読後感の不思議さは、田中小実昌の小説と似ているような気がする。文体ももうすこし回りくどく書いたらコミさんみたい。
2015/04/19
クリママ
10編の若い僕の物語と、少し趣の違う1編。さらさら読める。同じような経験もないし、誰とも違う。なのに、あのヒリヒリした感じ、どーでもいいような感じ、そんな、まだ時間を気にしなくていい年代の気持ちを思い出すようだ。
2017/03/15
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