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雷の季節の終わりに

雷の季節の終わりに

雷の季節の終わりに

作家
恒川光太郎
出版社
KADOKAWA
発売日
2006-11-01
ISBN
9784048737418
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雷の季節の終わりに / 感想・レビュー

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シナモン

春夏秋冬の他に、冬と春の間に雷季という季節がある異世界「穏」を巡る物語。残虐な描写も織り交ぜながら物語は進むが、突然ストーリーに全く関係ないような現代の日本に舞台が移る。えっ!と戸惑ったがそこから「穏」にたどり着く過程が面白かった。どこかにありそうで無さそうな閉鎖的な里「穏」。不穏で幻想的な世界観を堪能しました。

2022/05/09

takaC

~我が国には陸路で越えられる国境が関東にあったのだ。初めて知った。~

2013/10/13

nobby

この不思議で柔らかい世界観がいい♪四季に加えてもう1つ雷季のある静かな世界という“怨”でなくて“穏”。そこではかなり残酷な場面が描かれるホラーだが、怖さ少なくが魅力。妖しき憑き物の名前が“風わいわい”には恐れ入った(笑)序盤の賢也の視点と、途中から差し込まれる茜エピソードが、なかなか絡まらず中盤は苦戦…それでも終盤ようやく気付いて迎えるラストは感動を呼ぶ。悪しき存在なナギヒサやトバムネキが、ゆくゆくは怯えるハメになる勧善懲悪な結末も分かりやすくてよい。

2017/04/03

とろこ

初読み作家さん。物凄く不思議な世界観。地図にはない土地・“穏”。そこでは、四季の他に、多くの怪異が起きる雷季がある。そこに住む賢也は、“風わいわい”というモノに憑かれ、“穏”の人々に疎まれる。そして、事件が起き、賢也は“下界”を目指す。残酷な描写も人間の醜い部分も多く描かれているのに、何故か幻想的な雰囲気を醸し出している。<賢也>の章と<茜>の章が結びついた時は感動的でさえあった。そして、“風わいわい”の存在が愛おしくなった。哀しくも美しい物語。賢也の回想から始まっているが、後日譚も読んでみたい。

2017/04/15

エンブレムT

少年・賢也が暮らすのは、この世とあの世の狭間にある因習の町『穏』。春夏秋冬の他に、怪異が起こる『雷の季節』がある小さな世界。姉が消えたのも、ぼくに風わいわいが憑いたのも、全てはその雷の季節での出来事だった・・・。雷の季節・風わいわい・闇番・鬼衆など、不可思議で心ざわめく存在に満ちた『穏』と、混沌とした『現実世界』が繋がっていく様に息を飲んだ。憎悪に満ちた歪んだ大人達の存在に吐き気を覚えつつも、見えてこない物語の着地点を求めてページをめくる手は止まらなかった。・・・今作もまた、深いため息と共に本を閉じた。

2011/07/24

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