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くくしがるば

くくしがるば

くくしがるば

作家
遠藤徹
出版社
角川書店
発売日
2007-02-01
ISBN
9784048737524
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くくしがるば / 感想・レビュー

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みや

見る者を石に変える皇女が戦う純愛コメディの中編と、心臓を丸呑みされた男の虜となるホラー短編「おがみむし」を収録。表題作は今まで読んできた著者の作品と雰囲気が全く違い、私には合わなかった。どんなに読み進めても面白さが分からない。意地で読み終えたが、辛い読書だった。一方の短編は著者らしい奇抜な設定で、独特の薄気味悪さが30ページに凝縮されていて素晴らしい。自分の心臓を食べた男の恋の奴隷になるというのは私の理想のカニバリズムであり、一般的には「異様」と形容されるであろう少女達の精神状態には感動を覚えた。大好き。

2018/05/12

ネムル

ポップでチープでキッチュなニッポンのカルチャーをマッドでアヴァンなセカイブンガク風にパロッたというか田中啓文もマッツァオにはならんだろうけどダジャレとコトバ遊びで単に数珠繋ぎにしたアホというかよくわからんといったネタの数々に哄笑苦笑失笑を重ねながら読み終えてポーイと投げるに最適なケッサク

2009/06/05

愛玉子

パロディ元は源氏物語に宮沢賢治に抽象絵画に森田童子にエヴァンゲリオンにその他その他、とどまるところを知らない。あらすじを記すことは不可能だが、ひと言で言うならなんじゃこりゃ、である。(一応公式には純愛がテーマらしい。そう言われればそうだった!今気付いたけど)すさまじいまでの言葉遊びは、砂漠の砂嵐のように読むものをきりきり舞いさせる。だが面白い。なぜか面白い。困ったもんだ。この方、本当に『姉飼』の作者と同一人物?乙一よりも両極端作家かもしれない。

2009/10/12

きら

その美しさ故に、見たものすべてを石に変えてしまう皇女が清らかな体のままご懐妊。生まれてきたのはなんとお地蔵さまで・・・ 言葉遊び満載のしっちゃかめっちゃかの不条理小説。『姉飼』の壊れた世界観とか好きだったんだけど、ここまで弾けちゃうと個人的にはちょっとうーんって感じ。でもそれでいて、最後は綺麗にまとめて収集をつけてしまうところは凄い。「そういう」記号の塊、閻乃魔子を可愛いと思ってしまった自分が少し悲しい。同時収録の掌編『おがみむし』の方がいつもの遠藤作品っぽい。

2010/06/13

ソフトもやし

表題作より「おがみむし」の方が問題作と言って良いのではないだろうか。 この短さでここまでの不安定な感覚は天性のものと呼べよう。

2016/08/10

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