神田川デイズ
神田川デイズ / 感想・レビュー
やも
大学デビューで華やかなキャンパスライフ✨それが実現しなかった陰キャ大学生の日常連作短編。このままじゃダメだーーー!!なんてはっちゃけてみたりするけど、なんだか空振りばかり😂でもな〜んかそれが可愛く読める❗🍒🧑達が童貞メガネーズ結成…サークル選びに失敗女子…クレバーぶりたい俺…女のためのピンク映画を撮りたい女子3人…心がすさみがちなオール優女子が酔っ払う…作家になったけど有名にはなれなかった男子学生。悩んでもがいて、また夢見て立ち上がる✨何度でも、何にでもチャレンジ出来る若さの特権が眩しい1冊✨★4
2021/12/13
いしかわ
ああ、大学生だなぁ。って感じの分かりやすいタイプの各章の主人公たち。小中高時代の眩しいくらいに煌びやかな青春物語とは、やっぱり大学生にもなってくると違う。現実が見えてくる年頃だけど、それでいてまだ'学生'なりの'子供'さや、'幼稚'さがあって、読んでいて恥ずかしいような気持ちになる。'こうはなりたくないなぁ'と思えるダメな感じ満載で、反面教師で意識高くなりそう。
2013/08/15
ミルルン
上京して大学生活を送る男女を描いた6編の連作小説。ごく普通の大学生の日常の風景。思い描いていた生活と現実とのギャップ。サークル、恋愛…行動を起こして何かを始めた人、動けなかった人。角田の「実際に動いた人って、やっぱり違うと思うんだよ」も『いちごに朝露、映るは空』の道子の心情、いたたまれなさも、とてもよく分かる。花束になれなくても、格好悪くても、何かを見つけられなくても、振り返ると、懐かしくてやはり特別だったんだなと思う日々。青春のほろ苦さが詰まっているけれど、温かみも感じられる一冊だった。
2015/06/18
愛玉子
ああ思い出す、上京ガールだった私。キャンパス内に溢れんばかりのビラ配りの人々、そして同い年とは思えないほど化粧も完璧、ブランドスーツを颯爽と着こなした付属上がりの人々に恐れをなした、入学式のあの日。ここに登場する地味でイケてない学生たちは、何かしなくては、変わらなくてはと焦り、悩み、でも根拠のない自信は捨てられず、それぞれに足掻いている。だが、イケてないが故にその足掻く方向もちょっとずれていて、それが痛々しくも可笑しい。かっこ悪かったあの日はそれでも、通り過ぎてしまえば懐かしく愛おしいのだ。
2010/02/09
Lesen
「見ろ、空は白む」「いちごに朝露、映るは空」「雨にとびこめ」「どこまで行けるか言わないで」「リベンジ・リトル・ガール」「花束になんかなりたくない」の6編。上京して、憧れていた大学生活現実とのギャップに戸惑う男女の物語。青くて、イタイ。もがいて、足掻いていた時がある人は共感出来る。等身大なのがリアル。何らかの行動に移せる人達に光はさしてくるのだろう。「やっと一輪の花を咲かせることができた時、それを誰かに拾ってもらえればいい」この本文の言葉を以って、豊島ミホさんが作家活動を再開されることを望みます。
2015/07/16
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