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幻想小品集

幻想小品集

幻想小品集

作家
嶽本野ばら
出版社
角川書店
発売日
2007-12-01
ISBN
9784048738132
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幻想小品集 / 感想・レビュー

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青蓮

タイトルに惹かれて手に取りました。短編7編収録。見た目はふわふわとした綺麗な砂糖菓子だけど実際食べたら毒物だった、みたいな作品。彼が描く、痛みと狂気を孕んだ幻想耽美な世界は好き嫌いがはっきり別れそう。やや説明的な文章が多かったのが少し興醒めだったように感じるけど、扱ってる題材や発想は耽美やゴシックのそれで、そう言うのが好きな人は楽しめると思います。私は面白く読みました。光と闇、聖と俗、善と悪の対比が美しく官能的。「Sleeping Pill」「Pearl Parable」「Religion」がお気に入り。

2016/05/22

カナン

おはよう世界。睡眠薬を女性に譬えたSleeping Pillが心地よい。使用経験があるので懐かしい味を思い出す。君を抱けば眠ることが出来た。夢に見るボートの上の襦袢の女の顔も君に見えた。嗚呼、するべきことは決まってしまった。死は永遠ではない、何故なら時流に乗ったまま停止することは不可能だから。実在する眠り病から想像を広げたSomnolencyや、真珠にそこまでするかなPearl Parableも好き。ねえ君、愛は痛いのです。チョコを貪りピアスを開け、悪魔崇拝しながら黒ドレスで闊歩し薬で眠る。おやすみ世界。

2020/06/05

朱音

野ばらワールドの中でもちょっと異端、なのではないだろうか?幻想というよりはちょっと行っちゃった感のある小品。狂いの中にこそ咲くあだ花のような美しさ、を狙っているんだろうけどまんまとそこにはめられてしまう。睡眠薬の話、職業柄一応言っておきますが(笑)「良 い 子 は 真 似 し て は い け ま せ ん!」(笑)

2010/10/20

れに

幻覚と耽美が行き交う七つのゴシック・ロマンス。世界観が独特で雰囲気は好きだ。様々な睡眠薬の種類を語り、それぞれを効果ごとに赤い娼婦白い娼婦と名付けたりピアッシングの痛さに意義を求めたり。でも、さりげなく共依存的な近親相姦があったり悪魔崇拝者による集会の乱交パーティーがあったりとそういった面では受け付けなかった…。著者は大麻で捕まっているはずだがこの小説もトリップしてるときに書いたのだろうか。とにかくタイトルにもあるように到底現実の世界とは思えない幻想的な小説集だった。美味しいチョコレートが食べたくなる。

2023/09/19

かさ

再読。今年初読了。嶽本野ばらは最近のものには全く興味がでないのだけれど、この本に載っているSleepingPillは大好き。もともと自分が、精神的な病気が転じて一時期薬オタクだったところがあるので、睡眠薬を女性にたとえるくだりでは「だよねー!」って軽率に同意をしてしまう。でも、女性にたとえるという着眼点はさすがだなと。真珠の話とチョコレートの話も好き。しかし嶽本野ばらは性的な現象と宗教絡めるのが好きだよなぁ。ファッションについては私が言うまでもないけど、宗教と性への執着も相当だと思う。

2015/01/04

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