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秋月記

秋月記

秋月記

作家
葉室麟
出版社
角川グループパブリッシング
発売日
2009-01-26
ISBN
9784048739214
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秋月記 / 感想・レビュー

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初美マリン

正に葉室麟という作品、おのれがおのれであることをためらうなとひたすら秋月藩の為に生きた、強いなあ、自分が臆病だと知っているから強く守る人間になりたいと、わかってもらえなくてもというところが、強い

2019/06/26

KAZOO

葉室さんの「蜩の記」に続いて2作目です。読んでみて感じたのは前作の感じと非常に似ている気がしました。葉室さんがそのような感じのものを好んで描いているのかたまたま私が手にしたものがそうなのかはわかりません。山本周五郎の「樅の木は残った」のイメージを思い浮かべながら読みました。もう少し長くしてもいいのではないかと思いました。前作と同じように映画化されるといいですね。

2015/03/23

ぷりん

「逃げない男になる」と生きた小四郎。いろいろな人の思惑があるけど、自分の役割、自分の思いを信じて、前に進むしかないことを教えられた。「山は山であることに迷わぬ。雲は雲であることは疑わぬ。人だけが、おのれであることを迷い、疑う。それゆえ、風景を見ると心が落ち着くのだ」この言葉を胸に刻み、迷い、疑い、そして、自分の決めたことを信じて、進んでいこうと前向きになれた。

2015/12/22

B-Beat

◎面白かった。この作家初読みでかつ久方ぶりの時代小説の故か自分の中ですべてが新鮮だった。悪代官のイメージの人物が実は真の愛国者であったり、主人公の目標というか一生かけて挑戦すべきと思っていた課題が人生の意外なところで達成されていたりとその意外性というか読み手の裏をかくような展開にワクワクしていたら物語は終わってしまったという感じ。時は江戸時代、所は九州今の福岡県の小藩の武士の一代記ではあるけれど、現代にも通じる為政者のあるべき姿が描かれていたようでいつかまたきっと読み返したくなるだろうなと。

2012/06/14

なゆ

いつもながら、葉室さんの描く武士の生きざまに、しみじみかつシャキッとさせられる。秋月藩のため、若き小四郎は正義感に燃えて仲間と共に家老織部を失脚させ、出世して藩政を考えるようになると手を汚し憎まれ役の中老となり、最後には流罪となる。まるで哀れな末路のようだが、いつもながらラストに吹き抜ける清々しい風。織部の言葉が、小四郎にも読む者の心にも沁みる。秋月名産の葛の誕生悲話が切なかった。

2013/03/01

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