芙蓉千里
芙蓉千里 / 感想・レビュー
徒花
すごいおもしろかった。日露戦争の直後、旅芸人の親に捨てられた日本人少女が人買いに自ら名乗り出て大陸に渡り、ハルビンでナンバーワンの女郎になることを目指す物語。舞台の描写、登場人物の心情が丁寧で、自分の夢や目標、そして意中の男性などに心が揺れ動きながらも、強く生き抜いていく主人公が読んでいてなかなか爽快。物語の構成やドラマティックさも十分で、エンターテイメント小説としてかなり良質。続編もあるようだが、個人的にはあの終わり方のままで終わらせておきたいので、読まない。
2017/11/05
あつひめ
須賀さん初読み。装丁が気に入り借りてしまった。図書館には3巻並んでいたがまずは1巻目を。今までにも女郎屋の作品は読んだことはあるがもっと痛々しい、そして生臭いのとおしろいの匂いがプンプンしてくるものがほとんどだった。花の名の源氏名を持つ女たちは、その名にふさわしいような花を咲かせ散って行く。時代に翻弄されながらも身一つで生きている女たち。はるか彼方の哈爾賓で様々な国の男たちと渡り合う。あの時代に日本の立ち位置を見た気がする。生きることの貪欲さと幸せと苦しさが隣り合わせる暮らし。さて、2巻目が気になる。
2013/02/05
らむれ
鮮やかな女の子の夢、強くて真っ直ぐな花たちにすっかり夢中。それぞれの花が美しくドラマがあり、満腹!逞しくて、意志が強くて、憧れる。牡丹に幸せになってほしかったけど、彼女の生涯が女郎としては真実なんだろうな。切ない。友達なのに、どうしても羨んでしまう。一番近いのに遠い、タエの心の揺れを描いた二作目も好きでした。少女マンガみたいに前のめりに読める胸アツ作品◎『ツリーハウス』にも『蒼穹』にも出てくる、大陸の真っ赤な夕日、見てみたいな。「愛おしいことは温かいこと。好きなだけ熱を伝えあうこと」タフに生きよう。
2015/08/20
ゆみねこ
これは面白かったです!大陸に渡り、女郎として生きる決意をしたフミ。角兵衛獅子の辻芸人から芸妓芙蓉に、ハルビンの舞姫として名を上げてゆく。
2016/09/03
れいぽ
フミの真っ直ぐな生き方が気持ちいいガールズ大河小説。自分で選んだ道を信じ切り拓いていく姿に拍手喝采です。タエちゃんとの友情も熱くていい!黒谷さんもいい人だ~!分厚い本ですが一気読みです。12歳でロシアに渡ったフミと一緒に7年間を駆け抜けました。続編も読むぞーw
2011/06/29
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