或るろくでなしの死
或るろくでなしの死 / 感想・レビュー
澤水月
「或るろくでなしの死」はダイナーと世界観が地続きな感じがした。あと「或る愛情の死」はイイ。子供を描くといいんだよなぁ。
2012/01/24
R
死をテーマにした、題名の通り、様々なろくでなしの末路や挙句を描いた短編集でした。悲惨、陰惨、酷薄なんていう言葉を並べたくなるような、本当に低俗で卑猥卑小な人物の死に方であったり、ただただ理不尽が描かれているだけであったり、もう一度読みたいと思えない物語ばかりなのに、ひきつけられてしまう。爽快感からは程遠い、ストレスがたまるような内容なのに、どこか滑稽にも思えて読み進められてしまうのでした。
2017/10/18
ふかborn
市井の、又は少し狂った人達の不条理な死を書くのが素晴らしく上手い。「死はどの人間にも平等に訪れる」が、その残酷な最後の描写には舌を巻く。しかし、平山作品では毎度の事なので少し脇に置いといて。本当に気味が悪いのは、はぐれもの~の無関心な住民達。嫌われ者~の負傷者の持ち物(おそらく大金を入れたロッカーの鍵)を奪う救助隊員。ごくつぶし~の人の死を見て、自らの心も死んだと感じながら豊かな家族と過ごす情景。愛情~の病状末期の子供を見捨てる心理。英雄~の命の恩人の狂気と呪いに半世付き合う うんざりさ。以降ネタバレ注意
2014/12/09
鱒子
図書館本。短編集。どの話でも、登場人物それぞれの想いが、徹底的に蹂躙され、破壊されていきます。平山さんの本はどれも頭にシーンが思い浮かびます。とても映像的です。でも、グロ注意過ぎる脳内映像なのです(^_^;)
2016/11/24
hanchyan@だから お早うの朝はくる
矜持をなくした世界で必死に生き延びようと闘う七つの魂に胸が熱くなる。平山さんの描く、あんだけのメにあってなお心を折られない人物達には勇気付けられますよホント。七話目がとても良かった、もはや安部公房の域!! あと。氏のグロ描写について「実はスナッフ趣味あんのかオレもししかして!?」と思って本気で考えたが(笑)、酸鼻を極めつつもどこか笑いを誘われるのは、一度デフォルメされたドタバタ劇をリアルに描くことで生まれる異化効果だと改めて確信。やっぱ赤塚不二夫ナンセンスの末裔なんだよコレは。・・・と少数派は思う(笑)
2014/06/13
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