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悲歌 エレジー

悲歌 エレジー

悲歌 エレジー

作家
中山可穂
出版社
角川書店(角川グループパブリッシング)
発売日
2009-09-18
ISBN
9784048739917
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ジャンル

悲歌 エレジー / 感想・レビュー

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chimako

能を素材に全くちがう物語を編んだ3編。女同士の、男と女の、男同士の抜き差しならない恋愛を描く。中山可穂ならでは。性描写はほとんどない。だがそこには濃密なエロスが漂う。『隅田川』で心中を図る女子高生。『定家』は男女の愛を書いているようで実は夫は妻の愛人に焦がれていたのではと思わせる。『蝉丸』の主人公博雅は天使の声を持つ蝉丸を探すため新婚旅行先で妻を棄てる。そんな激しい恋情に囚われるのは幸せなことかもしれない。100パーセントかけて愛せる者。その人しかいないと言い切れる強さ。蝉丸はたぶん博雅を待っている。

2016/09/27

ゆみねこ

中山さん、初読み。愛の形を3通り。「隅田川」は女性同士、「定家」は不倫、「蝉丸」は男同士の。普段手を出さないジャンルでしたが、読みやすく一気に読了。

2015/05/09

アリ子

3編とも独特の雰囲気があって良かった。 短編の「隅田川」の娘と父が大変印象的。中篇の「蝉丸」は萩尾望都や竹宮恵子のような古き良き少女マンガのような味わいだった。元になっているという能楽の話も知りたい。

2015/08/21

流之助

この人の作品はまるで不均一な澱が水の中でどろどろと蠢くような、そんな感覚を抱かせてくれます。「隅田川」「定家」「蝉丸」の3作品の持つそれぞれの独特な粘質のようなものが、読み終わった後も私の周囲に漂っています。3作品の中では「蝉丸」が圧倒的に好きです。自分の中にある、名状しがたい色々な感情が噴き出すようで、ページをめくる手が止まりませんでした。

2016/04/10

スノーシェルター

読み応えがあり、じっくり読んでしまった。愛なのか狂っているのか。でもドロドロしていないし、性別関係なく、そのものをただ愛するという感じ。苦しくて切なくて、まさに「悲歌」。自分の価値観みたいなものに疑問を感じてしまうような話だった。好きです。

2013/03/13

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