アシンメトリー
アシンメトリー / 感想・レビュー
優希
アシンメトリーなアラサーたちの結婚をめぐる恋愛小説がもどかしかったです。結婚願望が強い朋美が紗雪の結婚にショックを受ける気持ちが何となく分かりました。でも紗雪と治樹の結婚がワケありなのには複雑な思いになります。同性愛者と結婚するというのはなかなか受け入れにくいものですよね。同性愛に偏見があるわけではないけれど、結婚相手となると考えてしまうかも。ただの恋愛や結婚で終わらせず、セクシャルマイノリティにまで踏み込んだ作品で考えさせられました。でも2人はお互いの気持ちを尊重したうえで今後も共に過ごすのでしょう。
2015/11/03
ゆみねこ
4人の男女がそれぞれに抱える問題。単純に二つのカップルのすれ違いなどではなく、セクシャルマイノリティの問題をからめつつ物語が進んで行く。結婚願望の強すぎる朋美に、最初は共感し難かったけれど、彼女が一番良い方向に変わることが出来たのかもしれませんね。アシンメトリーな男女4人、タイトルが秀逸だと思います。
2014/06/26
紫 綺
文庫で読了。セクシャルマイノリティのお話。深い・・・。
2013/09/14
kiisuke
女ともだち、男ともだち、恋愛、結婚。ふだん言葉に当て嵌めて括ってしまっているけれども、もしかしたら常識に囚われたその分類のほうが不自然なのかもしれません。人間の関係はグラデーションのようで、無理に境界線を引くことはしなくてもいいのかな、と再確認。環境や性格、さまざまな個性をもつ男女、それぞれの視点から自分以外の人たちと折り合いをつけて出来るだけ心地よく受け入れながら生きていこうとする人間の姿がよく描かれていて面白かった。柔らかなさらさらとした読み心地、読後感良い一冊でした。
2016/02/23
b☆h
同性愛の治樹と、治樹を好きな気持ちを隠す紗雪。結婚願望が強い朋美と、自分の気持ちが分からない貴人。二組のカップルを軸に結婚や人との繋がり方を連作短編で描いた作品だった。『お互いの思いにどれだけ寄り添えるかって努力するのが夫婦じゃないの?』の言葉に強い共感を持ったけど、慣れるとなかなか難しいことでもある。改めて話すことの大切さを感じられ、『普通は』という言葉を非難や指摘に使わないようにしよう、と強く思う作品でもあった。
2022/12/29
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