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炎上する君

炎上する君

炎上する君

作家
西加奈子
出版社
角川書店(角川グループパブリッシング)
発売日
2010-04-29
ISBN
9784048740579
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炎上する君 / 感想・レビュー

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風眠

苦しみは人によって尺度も違う。だから思う存分、自分の苦しみを肯定していいんだよ、「苦しい」って言っていいんだよって、素っ気ない文章の中にそんな優しさが潜んでいる短篇集。自分という存在が希薄になってしまうほど、苦悩から目をそらし閉じこもっていた登場人物たち。どこかファンタジーめいた独特な筋立て。淡々とこのまま終わると思わせて、唐突に変わる心情描写。3年間引きこもっていた女が部屋から出る『太陽の上』、足が炎上している男に恋する表題作『炎上する君』の二篇は、飛び抜けて鮮やかに唐突で、間違いなく傑作だと私は思う。

2015/01/25

おしゃべりメガネ

だいぶ前に『笑っていいとも』でピースの又吉さんがベッキーさんにオススメしていた作品です。気になって読んでみましたが…う~ん、正直、自分には残念ながらあまりよくわからない世界観でした。決して、悪いという意味ではなく、西加奈子さん推しのユーザーからすると「わかるとかわからないじゃないんだよ!」とお叱り?をうけてしまうのでしょうが、やっぱり自分には、ちょっと馴染めませんでした。でも、たまたまこの作品が、そういう相性だったのかもしれないので、諦めず?に機会をみて他の作品にチャレンジしてみたいと思います。

2012/09/25

げんちゃん

西加奈子さん初読。又吉さんが絶賛する作家さんだから面白いと思ってたのですが、大正解!なんで今まで読まなかったんだろうって後悔しました。恋愛ものでひとつのお話が出来てると思いきや短編集で出来た作品でした。西さんの想像力と言いますか惹きつけられる文章力でした。特にこれがオススメだよという章は最後のお話です。人間の闇や優しさが見れる素晴らしい話です!全然読んだ事ない方は是非とも読んで欲しい作品です。

2020/02/15

新地学@児童書病発動中

作家が育った土地のことは普通気にしないのだが、大阪で育った人らしい情の濃さを感じる短編集。足が燃えたり、風船のようになって空に飛んで行ったり、正体不明のメールが届くいった物語のアイディアが良かった。そのアイディアの中に作者の想いをぎっしり詰め込んで、こちらの胸元に速球を投げ込んでくる。西さんが自分で描いたらしい表紙の絵も気に入った。8つの短編の中では表題作が一番の好み。

2013/11/11

nyanco

『太陽の上』を読み、またまた今回もぶっとんでるな~と感じる。『炎上する君』に至っては、『炎上する』って比喩だと思うじゃないですか普通ならw、でも西さんですから本当に炎上してるわけですよ。なんだこりゃ~と思うのですが、落とし所が巧い…。女性ならニヤリとしてしまう。どの物語もストレスやコンプレックスを抱えた人たちが、それを受け止めたり、敢えて投げ捨ててしまったり、一歩踏み出して解決したり…、西さんなりで西さんらしい優しさに溢れる作品でした。

2010/06/04

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