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てふてふ荘へようこそ

てふてふ荘へようこそ

てふてふ荘へようこそ

作家
乾ルカ
出版社
角川書店(角川グループパブリッシング)
発売日
2011-05-31
ISBN
9784048741996
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てふてふ荘へようこそ / 感想・レビュー

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kishikan

6畳と8畳の2間にキッチン、共同トイレに共同風呂、そしてビリヤード台がある集会室付のアパートの家賃がたったの1万3千円!しかぁし、6室あるそれぞれの部屋には地縛霊が住んでいる。様々な事情を持つ6人がその6つの部屋に住むことになるのだが・・・・。ちょっとだけ可笑しくて、少し切なくほろりとしてしまう、でもとても温かい6つのお話。そして最後にプラスワン。香月さんの「妖怪アパート」みたいにほのぼのとした話もあるけど、乾さんの「てふてふ荘」は最後に人生訓を感じてしまう作品。住人とそれぞれの霊の関わりが印象的です。

2011/10/27

文庫フリーク@灯れ松明の火

昨年の今頃は、三号室の長久保と同じようにハローワーク通いの日々。長久保のような詐欺師の前歴こそ無いものの、売りとなる資格も持たず、年齢的にも書類選考だけで落とされることの繰り返し。なので再度の面接で、悔しさをバネにした長久保を認めた面接担当者・杉野の言葉にまぶた熱くなりました。石黒の元へ走らずにはいられない、面接の一部始終を話さずにはいられない、三号室の長久保&石黒にやられました。自分という殻に囚われて、自身をがんじがらめに縛っているのは、自縛霊よりも生きている各部屋の住人たちのように感じます。→続く

2012/05/17

takaC

二階後半はちょっと毛色が変わったけれど、総合的に見れば自分のセンス的にはオススメの一冊です。今まで読んだ乾小説の中では一番好きかも。

2011/08/19

くりきんとん99

乾ルカさんの作品は、「あの日に~」と「六月の~」しか読んでないけど、これが一番読みやすいかも。一部屋に一人の幽霊。そして住人達もわけあり。そんなてふてふ荘のお話は、切ないけど心温まるものでした。ラストは予想外。ちょっと残念なような・・・。寂しいですね。大家さんの声、どんな声だったのか気になります。

2011/07/24

ちはや@灯れ松明の火

距離が狭まるほど別れの刻も近づいていく。世間から取り残された寂しさを抱えた人々と、世界から切り離された哀しさを抱いた幽霊たち、蛹のような小さな部屋に、ふたり。何度痛みを覚えても恋心に揺さぶられ、素顔で交わす笑いに安らぎ、生きる途を切り拓こうと共に足掻く。まだ見ぬ明日へ、安らかな眠りへ、蛹を破り羽ばたく先は分かれるのに。凍りついた想いが解けていく、見えなくても聞こえなくても優しさは伝わる、誰よりも近くにいたことを刻みつけて、ひらり、蝶が虹の翅を広げる。過ごした日々、ふれあった温もり、繋がった心、その中に。

2012/02/19

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