横溝正史 自伝的随筆集
横溝正史 自伝的随筆集 / 感想・レビュー
アキ・ラメーテ@家捨亭半為飯
自らの生い立ち、両親のこと、家族、兄弟の話、子供時代の友人、雑誌投稿時代、江戸川乱歩との出会い、自作品についてなど、自伝的な随筆集。波乱万丈な生い立ち、複雑な家族関係、病気や戦争など一難去ってまた一難な人生の人で、ご本人はそのせいで、自分は卑屈な性格だとか書いているけれど、江戸川乱歩はじめ皆から愛される人であったのだと感じた。
2016/10/07
ぶんぶん
【図書館】ふと、横溝正史の事を想いだし、こんな本があることを知る。 面白そうと図書館リクエストをした。 読んでみると、横溝の幼少の事とか家族構成の事まで懇切丁寧に自伝にまとまっている。 流石に、一気読みとは行かなかったが、ある側面では興味ある読み物である。 横溝作品に全般的に書いてあり、特に「江戸川乱歩」との交友が親しみがあった。 ホモ説もさもありなんと、思わせる文章もある。 とにかく、横溝正史が良く判る本である。 しかし、苦労した人だったんだな、奥さんの追悼本も読みたいと思う。
2021/07/22
なにょう
乱歩先生との書簡の往来の部分は飛ばし読み。ぎっしり詰まった本で読了なるかと思ったがなんとか読めた。事実は小説より奇なり……そして、横溝先生の来し方もこれまた奇なり。人生塞翁が馬……先生の来し方を思えば、多少の苦労は苦労と言えない。自分の苦労など苦労に入らない。★青春時代、港町神戸の古本屋をめぐり舶来雑誌・書籍の類を読み漁る。それが血となり肉となる。かの村上春樹さんも同じようなことしてなかったけ?
2017/09/04
yuri_azucena
割合としては著者の幼少期のエピソードが多くを占めますが、金田一耕助のあの独特の口調(吃音)のルーツや、戦時中岡山疎開中や、疎開以前のエピソードなど、後年金田一シリーズにつながるエピソードもあり、新たに知る事実も。
2018/01/16
田中
いつも作品解説や作家同士の寄書きなどで作風に似合わず温かみのある文章を書かれるので、乱歩のように割合恵まれた環境に育ったのかと思いきや読んで度肝を抜かれた。今まで読んだエッセイや自伝の中でここまで衝撃を与えられたのは初めてである。新青年の編集者として作家乱歩とやりあった思い出や、少ないながら貰った手紙なども収めてあるので乱歩ファンなら必見。幼少時は痛々しい記憶が多いが、後年は乱歩と美少年のおっかけをしたなど微笑ましいエピソードもある。
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