サマー・ランサー (メディアワークス文庫)
サマー・ランサー (メディアワークス文庫) / 感想・レビュー
5 よういち
剣道界の重鎮・大野将英を祖父にもち、神童とも呼ばれた天智(テンジ)は、祖父の死をきっかけに竹刀が握れなくなる。高校に進学した天智はふと訪れた体育館で、木槍を使った槍道という武道と出会う。◆キラッキラッの青春スポーツ物語。スポ根の王道で描かれたストーリーは爽やかそのもの。好きだなぁ。真摯に取り組む主人公に、個性豊かな槍道メンバーが絡んで。◆一番驚いたのは、話の軸となる"槍道"という競技は存在しないこと。槍術というのあるが、槍道は作者の創作らしい。それをここまでリアリティをもって書きあげた力は素晴らしい。
2019/02/02
とら
一本槍の様にひたすら真っ直ぐで、世界がキラキラしてて、夏の日差しが暑くて、気がつけば汗をかいている―青春の日々。「槍道」と言う架空の競技は、正直この作品の題名「サマー・ランサー」が最初に浮かんで、それから後付けしただけのものだろう…と思ってしまった。でもそれは本当に純粋な著者の勘違いから出来たものだった。まあそれ程に題名が素晴らしく、あと思わずジャケ買いしてしまう程の表紙を描いてくれた庭さんにも感服。でもこの一巻で終わる事が分かっているので競技のルールとかは特に気にならず、流し読み気味で読んでしまった…
2014/03/18
ユザキ部長
槍の先に輝跡が見えるか。まっすぐであり続ける意味。ぶつかってはじき返されても向かう姿勢。その情熱の汗が眩しく光り、カッコいい。逃げてばかりの自分。もうみっともなくていい。強さを焦るな。歪みのない、曲線を持たず、でっぱりも凹みもなく、ひたすらに一直線な槍になれ。
2020/05/27
Yobata
かつて神童と呼ばれ何度も剣道の大会に優勝した天智だったが、中学校での度重なる転校,そして剣道の師である祖父を亡くし腐ってしまう。高校に入学した天智は不思議な音に誘われて体育館へ行くと槍道,そして槍道に励む羽山里佳に出会い運命が変わっていく…。槍道という架空のスポーツを舞台にした青春スポーツもの。羽山を始め、槍道部が皆真っ直ぐ過ぎるw羽山は本当に天真爛漫で真っ直ぐキラキラな少女。そんな少女が竹刀を振れなくなった腐った天智を強引ながらも槍道に引っ張り込み新たな光を見せるという超ド直球な爽やか青春ストーリーで→
2014/08/10
よっち
転校の多さや人付き合いの下手さから孤立し、師である祖父の死もあって、剣道へ向かおうとする思いに迷いが生じていた天智が、槍道という武道や羽山を始めとする槍道部のメンバーに出会って、まっすぐな気持ちを取り戻していくお話。槍道部のメンバーを始めとする登場人物もさっぱりとした性格で、全体的に読みやすかったです。天智は作中を通して葛藤することが多く、羽山を怪我をさせてしまったりもしましたが、こういう仲間に囲まれていれば、もっといろんなものが見えるようになるし、きっと立ち直れるのではないかと思える、そんな作品でした。
2014/02/16
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