いもーとらいふ (下) (電撃文庫)
いもーとらいふ (下) (電撃文庫) / 感想・レビュー
スズ
冒頭を読んだ時は(あれ、買う本間違えたか?)と思ったが、妹の書いた小説を読まされていたと分かり、ホッとした。相変わらずべったりな兄妹でした。今巻では妹視点からの話が多く、妹が幼少期から現在に至るまで、兄に対する気持ちの変化や思いが肥大化していく様子が描かれていた。兄が完全に吹っ切っており、彼女や家族よりも妹のことが大切で一緒にいて安らげる存在になっていた。二人の選択については世間的に言えばアウトではあるが、二人にとっては後悔しない選択をしたのだろう。『虹色エイリアン』のキャラが出てきたのが結構嬉しかった。
2016/09/16
まりも
行きすぎたブラコン、シスコン兄妹の人生を描いた物語の後半戦。作家になった妹との生活を描いた話。あー、何か予想通りではあったけど、上巻程ヤバい感じじゃなかったのはちょっとびっくり。これが慣れなのだろうか。親を切り捨てるほど兄を大切に想う妹、そんな妹の最期を看取るまで共に過ごす事を決意した兄。究極に依存し合う二人の物語は、気色悪いけど同時に心惹かれるモノを感じ、何とも言い難い独特の読後感が残りました。両者がそれを受け入れるなら、これもハッピーエンドなんでしょう。入間人間らしい普通じゃないラブコメでした。満足。
2016/09/11
Yobata
小説家になる夢を叶えた妹。そのことによって弱い妹,そして妹に頼られる自分が好きなことを知って思い悩む自分に、妹が編集から兄と共に東京に引っ越さないかと提案されたことを言い出され…。入間人間さんが描く兄妹ラブコメ下巻。小説家になり,社会的立場や経済力でも妹の方が勝り、兄としての立場を失いかけた所で自分の真意に気づいたが、それでもなお妹との生活を選択した兄。血肉を分けた妹との生活を選択することによって、肉をそぎ落とし,骨として生活するように他の全てを捨てる決意を固めた兄に対し、妹は小説家を目指したことも→
2016/09/10
T.Y.
小説家デビューした妹は、客観的に言えばもはや兄の庇護を必要としないが、しかし兄妹はただお互いだけを求めた…世間の理解も親も捨てて。下巻では妹視点も入り、妹のえげつない執念も明瞭になる一方、徹底して兄の自意識を描く重々しさはだいぶ薄れた。ただ上巻を踏まえると、兄妹の甘い蜜月が、空虚とズレを呑み込んだ深い諦観の上にあるのが見える。それが苦しい重荷と知りつつ、そんな自分とその過去の全重量を引き受けて留まり続ける、そこにしか自分にとっての「真実の愛」はないのだから…何とも気持ち悪い自己の重みを見せてくれた。傑作。
2016/09/11
かんけー
親と世間と云う風当たりに真っ向から対峙してみせると?覚悟してた二人に怖い物は何も無いのだろう?にーさんが好き、いもーとが好き、ただそれだけの事だ...?「かった」この一言が全てを凝縮している。こんな兄妹ラブコメがあってもいいかもねぇ~(^.^)?淡々としてるが然り気無い毒と嫌悪感は入間作品の真骨頂で。異端だがある意味佳作とも思えてくるから不思議?
2016/10/10
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