吉原百菓ひとくちの夢 弐 (メディアワークス文庫)
吉原百菓ひとくちの夢 弐 (メディアワークス文庫) / 感想・レビュー
佐島楓
草次郎と成瀬の関係は太佑と朝露のそれとも重なるようで不憫である。太佑はそれでもひとくちの夢のために菓子を作り続けるしかないのだ。そこに著者の優しさと厳しさを読み取った。
2018/08/28
野のこ
「ひとくちで消える淡い夢、夢を見せるということは心の一部になること。」大佑と朝露の想いも成瀬と草二郎の恋心も切なかった。お互いを思っていても、気持ちはすれ違う。 「別に今すぐに答えを出すようなことでもない。人の気持ちは変わるものだ」いつかは進まねばいけないけどちょっと甘いもんで一服も大切。少し焼きすぎた香ばしいカステイラ、食べてみたいな。あとがきで江中さんに親近感。追いかけたいです。
2019/11/21
真理そら
吉原で生まれ育った太佑はこのままずっと吉原で暮らすのかどうか悩ましい、誰もいなくなった建物の中を駆け回る夢のような気分になる日が来るかもしれず…。前作に比べて少し切ないお話だった。
2019/10/09
はるき
ビックリするぐらい、潔い幕引きでした。もっと巻数を重ねても良さそうなのに。それぞれが自分らしく生きていく。あり得ないことをあり得ないという姿勢が好感度大。
2019/01/02
よっしー
これで完結…なのかな。花魁としての高みに登り詰めたとしても、その女性が幸せかどうかは本当に分からない。そして、閉じられた世界からは誰も逃げ出すことは叶わない。吉原という特殊な場所なので、そこにいる全ての人が幸せになれる結末というのは難しいのはもちろん承知していますが、誰一人今の環境から変わらない。そして、このままの日々が続いていくものでもない。その通りではあるのですが、少しは救いが欲しかったと思うのは我が儘なのでしょうか。
2022/09/08
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