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海のカナリア (電撃文庫)

海のカナリア (電撃文庫)

海のカナリア (電撃文庫)

作家
入間人間
つくぐ
出版社
KADOKAWA
発売日
2019-09-10
ISBN
9784049128079
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海のカナリア (電撃文庫) / 感想・レビュー

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黒瀬

久し振りに入間ワールドを堪能した気分です。ちょうど一年前に発売された『世界の終わりの庭で』のように、初めは世界観や人物相関が分かり辛いのですが、読み進めていくに従い、点と点が線に繋がっていく高揚感。十一歳の女の子と十七歳の少年によって繰り広げられる奇妙なラブコメかと思いきや、百合らしきものが始まり、一粒で二度楽しめる。おそらく思春期でしか経験出来ない虚構の世界の思い出。海野幸はもう、あの世界に行く事は出来ないのだろう。それが『大人』になるという事なのか、はたまた『老い』か。

2019/10/02

たけ

★★★☆☆ 近所に住む小5女子の城ヶ崎君は行動力だけで生きているような電波少女である。そんな彼女に連れ回され苦労する少年は、目が覚めたら高2女子になっていた。いつものことである。そしてまた寝て起きると再び少女は少年に戻り...。そうした中でだんだんとその世界の謎が解き明かされていくお話。非常に難解。1ページ目から謎が深い。しかし、そんなミステリアスで思わず考え込んでしまうような展開に深く引き込まれちゃいました。入間先生の作品はあんまし読んだことありませんが、この作者が愛される所以が少しわかった気がします。

2019/09/16

夏特有の倦怠感やら虚無感やらがビシビシ伝わってきました。とてもふわふわした話で正直すべて理解できているかは怪しいところですけども、ラストへの話のもっていきかたが相変わらずうまくて読後は気持ち良いです。

2019/11/17

スズ

海野幸という女子高生の心の中に生まれた男子高校生のぼくと、小学生の城ケ崎君が少女の閉ざされた心の世界で生きながらも、表人格である幸に代わって表面世界に浮上して現実世界と精神世界を行き来する不思議な物語。海野幸として女子高生として生きるぼくと、捉え所のない城ケ崎君の二人が主人公の真夏のボーイミーツガール的なのを想像していましたが、多重人格になった少女の心の中という世界観に気付いてからはこれは人を選ぶが、刺さる人にはぶっ刺さる不思議な物語だなと感じました。入間先生好きとしてはこういう作品にもっと出会いたいです

2019/10/19

真白優樹

外の世界と断絶した海辺の町で、彼と彼女が出会う物語。―――海に沈む鳴く小鳥、その手が掴むは如何なる明日。 誰しもが自分以外になりたいとしても、自分以外にはなれやしない。 世界と世界が混じり奇妙奇天烈な世界が生み出される物語であり、推考すればするほどに深みに嵌って抜け出せなくなるような物語であり、何とも言えぬ読後感が味わえる、よく考えて読んでみてほしい心に棘のように刺さってくる物語である。水底から浮上し進む明日に待っている光景とは。この複雑怪奇で摩訶不思議な世界をどうか覗いてみてほしい。 うん、面白かった。

2019/09/11

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