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殺戮の天使

殺戮の天使

殺戮の天使

作家
ジャン=パトリック マンシェット
Jean‐Patrick Manchette
野崎歓
出版社
Gakken
発売日
1996-12-01
ISBN
9784054007345
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殺戮の天使 / 感想・レビュー

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そのじつ

ものすごくスタイリッシュでキャッチーなフィルムノワールを観た気分。破滅への暴走が官能的。映画「狼は天使の匂い」のような乾いた情感で着色しながら読んだ。女殺し屋をこんなにカッコ良く、虚しく描けるだけで素晴らしい!殺しに意味なんか無い!っていうのも、エメのキャラクターなら腑に落ちる。この作品教えて下さった方がレビューで書いてた、彼女が全裸でシュークルートとシャンパンを貪り、ベッドにバラまいた札束で食べこぼした体を拭いて笑うシーンが最高!

2013/10/25

まっつー(たまさか)

硬質な「ノワール」の結晶、あるいは純化した「暴力小説」への昇華。

2024/03/21

uburoi

この書にはいささかのモラルもない。ヒロインは黒い情熱の結晶のように鉱物質だ。マンディアルグの登場人物たちにも似ている。穏和な夫婦生活を過ごしていたエメは不意の衝動から夫を殺害する。それから暗殺者へと変身するのだ。フランスの港町、腐敗した街に舞い降りる黒い天使、それがエメ・ジュベールだ。しかしその名前自体仮のもので、本名を持たない。まるで名無しのオプである。しかしその悪はハメットよりもっと純粋だ。血まみれとなり破滅に向かって突き進むヒロインはダイヤモンドのように輝きを放つ。

2016/02/17

煙 亜月(煙突)

 マンシェットの物語は登場人物が悉皆イカレてるのが定説だが、エメにかんしては論理的に整合性を欠いていない。が、イカレてるのは確かだと思う。探り、騒ぎを起こし、殺す。このプロセスに則った「仕事」をこなしているにすぎないが、過去の仕事の新聞記事を偏執的に調べたり、ときに激昂したりすることもある。  ここで、下世話な話だが、シュミがあうひとには老若男女を問わずキャラ萌えが可能になるだろう。わたしは萌えに萌えた。ほかの2冊は男性を主人公に置いた。エメと比すれば人好きのするキャラクタではないと思う。個人的に。

kanamori

☆☆☆

2013/10/01

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