呪いの博物誌 (Esoterica selection)
呪いの博物誌 (Esoterica selection) / 感想・レビュー
skellig@topsy-turvy
タイトルから想像するほどおどろおどろしくはない。相手を呪い殺す、というよりは占い、呪(まじな)い、迷信などを中心につらつら話が進む。遊女が男の浮気封じに行っていたという呪いは悲哀を感じさせるけれど、人間の持つ業が沁みていて恐ろしいものがある。便所の穴、人体薬、糞便、黒焼きバイアグラ、猟奇的死体など、人が何らかの効力を見ていた品目の入門書といった風情。どんな呪いでも、重要なのは念じることと信じることだから、それが一番難しいのかもしれない。
2014/02/03
paluko
全6章の構成だが、1~3章までは「夜中に便槽を覗き込むと将来の夫の姿が映る」とか、血液・糞尿・死体(の一部)を使って行う呪法の話がかなり細かいところまで具体的に書いてあって気分が悪くなる読者もいそう。自分も、「藁人形」とか「マンドラゴラ」「呪符・護符」くらいが出てくるのかと予想していたのでかなり引いた。4章はいわゆる言葉の「おまじない」、古井戸は不吉というが梅の枝を葦(ヨシ)で縛って投げ込んでから埋めればOK(埋めてヨシ!)とか、伝言ゲームで原形をとどめないまでになった呪文とか。
2024/07/11
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