東京考現学図鑑
東京考現学図鑑 / 感想・レビュー
マカロニ マカロン
個人の感想です:B+。図書館で別の本を探しているときに見つけた本だが、大正14(1925)年初夏の銀座通りの通行人の年代、性別、服装(洋装/和装)、帽子、髪型・髭、持ち物など詳細な観測を記録し図解したもの。約100年前にこのユニークな考現学に励んでいた人たちがいたことに驚いた。歩き方が内股、外股まで記録しているのはあまりにマニアックで一歩間違えるとストーカーに間違われそうだ。この本には他に浅草、本所、玉の井、新宿、阿佐谷、井の頭公園、早稲田・三田・本郷の学生街の町並み、通行人の観測記録も収められている
2023/06/26
めぐみこ
関東大震災からの復興期の銀座・浅草・深川・新宿などの調査記録。服装や上方だけじゃなく、傘の持ち方・道端の看板・干してあるオシメの柄まで収集する熱意(?)がすごい。目につくもの手当たり次第にメモを取ってみました感、微笑ましいというか逞しいというか。東京育ちの著者が語る、60~70年代の街並みとの比較も興味深かった。
2020/03/17
刷子筆男
大正から昭和にかけ、考古学ならぬ「考現学」を自称して、東京の風俗のヘンな統計や記録をとりまくった人らがいて、その膨大な意味ねぇ記録にも大きな意味を持たせた超・労作。発掘・編纂し解説を加えたのが泉麻人というのは実にうなずける話で、他の人だったらできなかったと思う。昭和から平成にかけ「軽薄文体」でトレンドウォッチを牽引した泉麻人は、加齢と共に「昭和末期の生き字引」方面にシフトし、最近ではすっかり「東京史のオーソリティー」だ。その華麗なる転身に長年の読者としては嬉しいし、単純にこの本は一級の風俗資料なので読む価
2011/10/29
Ryuichiro Wada
この本は今自分が関わっているプロジェクトで話題になっている「考現学」の本です。 考現学とは現代の社会的現象を組織的に収集・分析し、世俗や風俗を分析研究する学問のこと。これと同じ手法で過去や現在のわが町を切り取ってはどうか?というのが提案として出ているわけです。 どのようなものもきちんとまとめてあれば資料的価値を持ちますが、この本はまさにその好例と言えます。 読み物としても大正時代の雰囲気が存分に伝わってくる読み応えのある本になってます。解説も丁寧ですので、興味のある方はぜひ。
2015/02/13
honey
大正・昭和初期の人々の風俗を調査した本。道行く人を、すっぴん・薄化粧・厚化粧や、内股・外股・まっすぐなどと分類するのが面白い。土地勘のないは、わかりにくいかも。興味があるところだけ拾い読みしてもいいかも。私は、いろいろ想像できておもしろかった。
2011/08/05
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