犬狼伝説: KERBEROS PANZER COP a Revision (下) (歴史群像コミックス)
犬狼伝説: KERBEROS PANZER COP a Revision (下) (歴史群像コミックス) / 感想・レビュー
G
最早その意義を失いつつ、公安委員会から解隊の命を下された首都警警備部、通称「ケルベロス」。これを不服とした巽大隊長は、武装蜂起による徹底抗戦を決断する。所謂「ケルベロス騒乱」の始まりである。下巻の後半はこのケルベロス騒乱の模様を、大胆な構図と大きな熱量を持って描く。時代に捨てられた犬たちが剥く最期の牙は、あまりにも悲痛な咆哮。組織再建を託された都々目紅一、鳥部蒼一郎、鷲尾翠はどこへ向かうのだろう。この犬たちの物語は終結するも、押井作品の中にしっかりと息づいている。読者はこの犬の物語を追っていくしかない。
2016/12/10
印度 洋一郎
下巻は、いわゆるケルベロス騒乱へと続く。死闘なのに寒々しい風景なのが、この作品らしい。このラストが「赤い眼鏡」や「ケルベロス」へと続いていくわけだが、それを踏まえて読むと色々な妄想が広がっていく。ブイブイ言わせている頃の特機隊や、大戦中のドイツ装甲歩兵の戦いもコミックとして読みたいものだが・・・。何年かしたら、又新装版が出るのだろうなぁ。
2011/10/19
えふのらん
パルク事件の失態、運命のケルベロス騒乱。 上巻連載分から九年経過しているだけあって、自衛隊と特機の治安維持に対する認識の違いといった政治的な話題が取り上げられ、また画風も群衆のぶつかり合いを描いた大コマがなくなり、大写しが多くなっていて、時間の流れを感じる。とはいえ、上巻の群衆描写のうまさは健在で、パルク事件の特機登場や騒乱の吹き抜けを利用した警視庁内の銃撃戦の躍動感にはうならされた。
2015/07/25
リチャード
どう見ても破滅へ向かって突き進んで行くクライマックスのケルベロス騒乱が圧巻。こういう「滅びの美学」って感じ好きだわ。
2014/04/07
ちーすけ
押井守は中年の葛藤、組織の中での争い、組織自体の役割り付け、事件の妙なリアルさがものすごくうまいなと思った。
2013/08/10
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