ゴシック名訳集成暴夜幻想譚 (学研M文庫 ひ 1-4 伝奇ノ匣 8)
ゴシック名訳集成暴夜幻想譚 (学研M文庫 ひ 1-4 伝奇ノ匣 8) / 感想・レビュー
紅はこべ
この本の目玉は「ヴァテック」と「ジャグパットの毛剃」。「ヴァテック」は悪い王様が魔人が呈示した宝を手に入れようとして破滅する物語。「ジャグパット」は一介の床屋がその技能を用いて、艱難辛苦を経て、魔物を倒し王位に就く物語。ヴァテックは美女が災いの元となり、ジャグパットは許嫁の美女が助け手になってくれる。どちらも最高に面白い。メレディスがこれ程のストーリーテラーとは。『エゴイスト』を挫折して以来、敬遠していたのに。訳文が流麗だから、すらすら読める。漢字の字面を眺めるだけで、うっとり。
2011/02/11
KAZOO
旧仮名遣いでルビがふってある本は久しぶりです。それだけでもエキゾチックな香りが紛々としてきます。結構冗長な感じもして若い人には読みづらいのかもしれませんが、伝奇小説が好きな人にはたまらない感じがします。ヴァテックとシャグパットの毛剃りだけでも読むと思います。
2014/03/03
123456789wanko
3月 なんという物語だ!シャグパットの毛剃り。こんな面白い物語が100年以上前に書かれていたなんて。粗筋は、主人公がシャグパットの毛を剃る。ただそれだけ。その為に、地を駆け、空を舞い、海を疾走し、大冒険を繰り広げる。兄弟に鍛えられた魔神をも切り裂く剣。周期の存在などは、ストームブリンガー等ムアコック作品への影響を感じる。旧仮名遣いだが、問題なく読めた。必読。小泉八雲が絶賛したのも納得。
2012/03/06
sgnfth
旧仮名遣い読むのしんどい。暴夜でアラビアって読むの凄いよね
2009/05/04
竜王五代の人
私には、ちと合わなかったな。「ヴァテック」(独裁者の気ままで物事をやり通せないカリフよりも、ヴァイタリティ溢れて息子を𠮟咤する太后の方が魅力的)も「シャグパットの毛剃」(必ず誘惑に引っかかるお調子者の主人公と言うのもなぁ、話が進まん)も長編なのに全編強調のままで話の休みどころがない。挿話の、愛する男たちを次々と死に至らしめる「美人ヴァナヴァー」とか、「黒島王の伝」ぐらい短いのは楽しめた。
2023/08/07
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