飯綱颪: 十六夜長屋日月抄 (学研M文庫 に 6-1)
飯綱颪: 十六夜長屋日月抄 (学研M文庫 に 6-1) / 感想・レビュー
韓信
脱藩したが記憶を失い、江戸下町の長屋暮らしに落ち着く抜け忍と長屋の人々の触れ合いを縦軸に、松代藩の内紛と抜け忍への追及を横軸に描く抜け忍版ボーンアイデンティティーな時代小説。山風的な個性のある(独創性はないが)忍術対決やほのぼの人情話、御家騒動的な政治劇と盛りだくさんな内容だが、いかんせん文章がこなれていないわ、心理描写やチャンバラ描写がマンガみたいで安っぽいわ、江戸家老側の政治ビジョンが語られぬまま事件が終息するから結局何がしたかったのか解らんわで、アイデア倒れの技量不足。非常に素人臭い仁木英之の初期作
2015/01/04
アヤ
仁木さんの本は面白いんだけど、時間が掛かる。今回は登場人物の関係図がうまく描けなくて、なんだかよくわからないまま終わった。
2013/04/29
mizuki
記憶をなくした抜け忍の山さん(儀助)が主人公かと思っていたら出番が少なくて、十六夜長屋の人たちの方が多く描かれていました。山さんが一緒にいる時に襲われるなら分かるんですけど、一緒にいない時に十六夜長屋の人たちばかり襲われるのが解せませんでした。一番の見せ場であろう親子対決は、あまり盛り上がらなかったような...。善光寺参りの道中で大活躍の藤村先生と貞光が良かったです。登場人物たちに魅力があり、人情味豊かな作品で楽しめました。
2009/06/16
yuri
えっと、これでよかったのかなと思ってしまう・・・。
2011/11/21
tsubamegou
飢饉とお家騒動、忍びの在り方、抜け忍、仇討ち、父子相克、人情長屋などなどてんこ盛り。どの部分もそれなりに面白いんだが、面白いだけにもっと読み込みたいなあと思ったとたんに場面転換で肩すかし。結局かなり中途半端な印象。クライマックスの息子が父を超えるシーンなど、熱くも激しくも涙ぼうぼうにもできたはずなのに。どんなふうに闘っているのかすらしっかりとはわからなかった。これだけの内容なら大長編で書くべきだったのでは。それだけの実力はある作家さんなのに。
2011/12/16
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