ゴシック名訳集成吸血妖鬼譚 (学研M文庫 ひ 1-6 伝奇ノ匣 9)
ゴシック名訳集成吸血妖鬼譚 (学研M文庫 ひ 1-6 伝奇ノ匣 9) / 感想・レビュー
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訳者・翻訳含めて,正しく「ゴシック」と呼ぶに相応しいアンソロジー.パブリック・イメージの原点であり,優れて文学的・詩的な題材となり得た頃の吸血鬼や人造人間たち.集中,ガストン・ルルー「吸血鬼」と,横溝正史訳のW.L.アルデン「モダン吸血鬼」の二編はエンタテイメント色が強いが,全体のバランスを考えると良い塩梅ではある. 芥川訳,ゴーティエ「クラリモンド」は,岩波文庫で「死霊の恋」として読んだもの,小泉八雲「屍鬼」冒頭に書かれているインドの伝説は,トマス・マン「シータの恋」(すげかえられた首)の元ネタだった.
2014/01/25
印度 洋一郎
明治時代から戦前の昭和までの西洋怪奇小説の日本語訳を集めたアンソロジー。明治時代に女子高等学校(今のお茶の水か?)の機関紙で「フランケンシュタイン」が連載されていたというのは驚きだ。浮世絵師が挿絵を描いているのも、明治を感じるところ。只、至るところ~で侯(そうろう)という文体なので、初心者にはキツいかも。
2009/09/18
氷沼
今まで読んだことのある作品でも、時代と訳者が違えばこうも印象が変わるものかという経験が出来る一冊。その価値も含め、収録作はどれもゴシック文学、吸血鬼文学として一級品なので、既読の作品が多くてもかなり楽しめました。ただ、時代が時代なので、文語体で訳されている作品もあり、そういう点ではある程度人を選んでしまうかもしれないですね...
2015/05/08
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