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仏の発見 (学研M文庫 い 19-1)

仏の発見 (学研M文庫 い 19-1)

仏の発見 (学研M文庫 い 19-1)

作家
五木寛之
梅原猛
出版社
学研プラス
発売日
2012-09-01
ISBN
9784059007821
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仏の発見 (学研M文庫 い 19-1) / 感想・レビュー

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chantal(シャンタール)

梅原、五木両氏が仏、互いの作品から歌謡曲に至るまで、色んな事をとても楽しそうに語り合っている。時に私も「うんうん」とうなづきながら楽しく読ませてもらった。明治の廃仏毀釈は「宗教そのものを文明の中で葬り去ろうとした」やドストエフスキーの作品観とその後の「神のない世界の恐るべき大量殺人の時代」と言った話に深い共感を覚えた。これからの世界は確かに「山川草木悉皆成仏」と言う、本来私たち日本人が古来より持っていた「自然を恐れ敬う」という基本に立ち返ってみるべき、の言葉にも納得。もっとずっと読んでいたい対談だった。

2019/05/09

はちてん

五木寛之と梅原猛の主に仏教を主題にした対談。そこ箇々に興味深いのだけれど意見の対立が無いので、知識人のお茶のみ話のような。仏教ブーム?の中で人気のある二人のアウトサイダーの組合せで面白かった。(西田幾多郎著『善の研究』数度挫折したままだったことを思い出す)(フランクル著『夜と霧』で引っ掛かった小骨の正体が少し見えた)

2012/09/23

coco.

哲学者・梅原猛と小説家・五木寛之の浄土系仏教対談集。素朴な語り口だが、密度は濃い。話は仏教に収まりきらず、川端康成やドストエフスキーを始めとする文豪、戯曲と宗教文学談に変貌してゆくので、飽きが来なかった。本職が行う講話や説法でないことが、功を奏している。『梁塵秘抄』の法門歌に表れている嘆きは、民衆の集合的無意識の一致とも言える。親鸞・法然の歴史資料を元にした新説からは、聖人としての一面ではなく、悩みや罪悪感を抱えながらも生きた一人の人間像が浮かんだ。人間味溢れる悲哀は、美談よりも心を惹きつける。

2015/09/15

ミッキー・ダック

幼少期も現在も孤独と悲哀を経験したと言う二人が、自分の過去や作品を通して仏教とりわけ法然や親鸞について語る。二人は環境破壊や戦争を引き起こす現代の人間中心主義/科学的合理主義及びその背後にある、自然支配的で排他的なキリスト教的世界観に限界を見る。そして仏教の不殺生の戒律、大乗仏教の大衆救済思想、日本仏教の自然との共生思想、親鸞の悪人正機説等々に可能性を見ている。対談故に詳細はよく理解できないが、大きな構図は見て取れる。自分には宗教心はないが、人間が恣意で動かしている世界は滅びるという危機感は共有できる。

2013/10/26

takuchan

五木「ある意味で、これから先、世界で多神教的な共存の宗教ということが求められるとすると、これは日本の出番かもしれないという気が、どこかにしますけど。」/対談本は、話者同士だけで専門用語で盛り上がり読者がおきざりになる本もあるが、この本はしっかり読者を意識して対談をしている気がした。

2013/07/05

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