宿命の交わる城
宿命の交わる城 / 感想・レビュー
マコ
「隠者の真価は、遠く俗界を離れて棲むことにあるのではなく、ほんの少し離れただけで、ときには視野から町並みを失うことさえなく、忘我の境地に入りうる点にこそあるのだ。」タロットカードから物語を読み解く試み自体はだんだん苦しくなっていったけれど、濃厚だった。カルヴィーノ作品は読み進むにつれて「いつ・どこ・だれ」があいまいになっていくのがいつも不思議に思う。
2017/06/10
S.コーニック
もし仮に、本屋の棚のタロットカードの場所にこの本が置かれていたとしても、それは間違いでないどころか至極まっとうであるのは言うまでもない。そのことは、この本の出版の経緯として作者が、また訳者である河島さんが解説で述べておられる通り。真に言うべきこと、それは、この本が心理学の棚、ことに心理療法の棚に置かれてあるとして幾許も問題がないどころか、むしろそここそがふさわさしい、この本の成り立ちとしてきっとすこぶる居心地がいい、ということなのだ(とまで言うと、いや、まあ、言い過ぎなんだろうけど)。
2017/09/09
ちり
“新しいカードがテーブルに置かれるたびに、まえのカードの意味が明らかにされ、修正されていく”
2017/03/03
更新停止中
タロットの図柄を並べる事で語られ、図柄から読み取られるそれぞれの物語の交錯。この技法だけでもう無条件降伏。地震であまり落ち着かず集中出来ない状態で読んでいたのが残念。文庫で買ってまた何度でも何度でも読み返そう。
2011/03/17
カムロ
あとがきにあるように、ほんとカルヴィーノって作品ごとに全然作風が違うよな。幻想と妄想と。
2024/09/26
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