夜中の薔薇
夜中の薔薇 / 感想・レビュー
ぶんこ
向田さんの最後のエッセイとの事。 日々の事、昔の事、そして知り合った人々のこと、男の人の事。 章毎に分かれていたので、何かの雑誌で連載されていたのでしょうか。 大病で入院中に、知人のお葬式に参列した時、別の知人から「君は長生きするよ」と励まされて事が書いてありました。 最初の章に、ベルギーやアマゾン川への旅、その他にも随所に旅の話が出てきて、この時代にこれだけ海外旅行をされていた日本人が少なかっただけに、飛行機事故の事が思い出されて切なかったです。
2015/10/14
anne@灯れ松明の火
『書店ガール』に「手袋をさがす」が登場し、こちらに入っているとわかり、隣市で。向田さんの文章はとても読みやすい。するするするっと読める。でも、時々、ハッとして立ち止まり、ふむふむと頷いたり、うーーむとうなったり、ホッとしたり……。直木賞受賞決定の翌日に「辞退しろ」電話が相次いだという話には本当に驚いた。待ってましたの料理談義。レシピがついているので、早速つくってみようと買い物^^ 「手袋…」はやっぱり読んでみて良かった。略歴の「1981年8月事故により急逝」いつ見ても、胸が痛くなる。早すぎたよね……。
2015/12/07
caramel
皆さんの感想を読んでいて気になった作品。「手袋をさがす」が心に残りました。私は向田先生のドラマを見たことがなかったんですが、今でもお名前を聞くくらい有名なのでまだご存命だとばかり思っていました。まさかそんなに早く亡くなっていたなんて。自分らしさを持った方だったんだろうなと思います。
2022/12/10
まいさん
向田邦子さんの最後のエッセイ集。直木賞を受賞したときのこと、子供のときのこと、海外旅行や食べること等々静かな品のある言葉で綴られている。どれもよかったが、「手袋を探す」「時計なんか怖くない」「言葉は恐ろしい」「言葉のおしゃれ」は特に心に残った。
2018/12/02
Voodoo Kami
諌早図書館の野呂邦暢コーナーに置かれていて借りて読みました。向田さんが野呂さんの『落城記』ドラマ化に奔走したいきさつが書かれたエッセイ収録。ちなみに野呂さんが向田さんに言及した文章はあるのでしょうか。この本は向田さんの死後に出たらしいのですが、「最後の晩餐」の話が出てくると運命を知っているだけに切なくなりました。「反省」をやめる。「清貧」「謙遜」は嫌い。友達だったらやっかいそうですが、人間の芯を見通すかのような向田さんの文章にはいつも唸るしかありません。「くらわんか」の皿は波佐見焼なので嬉しかったです。
2015/05/13
感想・レビューをもっと見る