KADOKAWA Group

Facebook X(旧Twitter) LINE はてブ Instagram Pinterest

原子炉の蟹

原子炉の蟹

原子炉の蟹

作家
長井彬
出版社
講談社
発売日
1981-09-01
ISBN
9784061307940
amazonで購入する

原子炉の蟹 / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

KJ

秘密主義。人権軽視。買収紛争。原発の本質的な問題は過去から現在にまで通ずる。伸し掛かる圧力。新聞社にとっては原発報道自体が相当な覚悟を要する闘いだ。異常な現実の壁に直面した時こそ想像力が物を言う。究極の密室として捉える原子炉。完璧である程に裏をかく面白さがある。原発と猿蟹合戦。異色の言葉が結び付く事で浮かび上がる真実。狂気の偽装か。秘密の内包か。見立て殺人犯の心理分析が興味深い。本望を遂げても満足感が湧かない。復讐に捧げざるを得なかった人生の切なさが滲む。社会的にも科学的にも原発の特性を存分に堪能出来た。

2022/08/31

感想・レビューをもっと見る