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病める岸 (講談社文庫 わ 1-1)

病める岸 (講談社文庫 わ 1-1)

病める岸 (講談社文庫 わ 1-1)

作家
渡辺淳一
出版社
講談社
発売日
1975-06-01
ISBN
9784061312890
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病める岸 (講談社文庫 わ 1-1) / 感想・レビュー

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うめ

この頃の渡辺文学は最高。独特の冷たさとフェティッシュな色気がたまらない。

ぼちぼちいこか

プレパラートの翳、血痕追跡、点滴、セックス・チェック、黄金分割、十五の失踪の6編。プレパラート~は昭和41年に医師がバナナにチフス菌を塗り殺人を起こした事件をモデルにした。血痕~は輸血により子供が父親と親子関係がないと分かり苦悩する夫婦。点滴~は治療費が打ち切られ薬剤投与できなくなった患者に対する医師の対応。セックス~は五輪選手の性別検査導入により苦悩する女性選手。黄金~は整形手術で銀座一のホステスの座を射止めた女性。十五~は人工透析を受けている中学生の心の闇。どれも昭和の話なので医術は古いが問題は同じ。

2018/04/21

MIKETOM

渡辺淳一と言えば不倫大好きなスケベジジイってイメージだけど、初期のこの人は医療系の作品ばかり書いていた(元々本職が外科医)。本書もそっち系の短編六編。『十五歳の失踪』の少年の気持ちを思うとやり切れない。死ぬ前の一杯のソバが哀れみを誘う。そして父母の気持ちも。辛いね。『黄金分割』のラスト、醒めた医者のセリフがなんとも虚しいというか寒々しい。『点滴』破天荒な医者の素朴なヒューマニズムがいい。現代は改善されてるんだろうか。『血痕追跡』やれやれ、真相がわかってよかった…。これは医者もたまらんだろうね(苦笑)

2020/02/23

りぃ

渡辺淳一の短編集。 私的にはかなり面白かったです。どれも読み応えがありました。 もっと有名になってもいいくらい面白いと思うんだけどなぁ?

2016/02/25

雨読ちゃん

渡辺淳一氏の初期の作品集…といっても、氏の作品を読むのは始めてです。外科の執刀医をされていたということで、無駄な救いもなく、病にかかったような陰鬱な気持ちになりつつも読了。人工透析や半陰陽についての作品もある。これが書かれたのが60年代半ばで、今よりずっと認識が薄いであろう世に生きる辛さを考えると一層陰鬱になる。『一五歳の失踪』で医師が発する「生かすばかりが医学ではない」という言葉に著者の医師としてのジレンマを感じた。

2013/08/04

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