解剖学的女性論 (講談社文庫 わ 1-3)
解剖学的女性論 (講談社文庫 わ 1-3) / 感想・レビュー
James Hayashi
仰々しいタイトルだが、著者が思いつくまま女性論を主観的に書いていると思われ、客観的事実ではない。72年に書かれていたという事実に、当時はかなり破廉恥な見方と囚われたのでないか。面白さもあるが、かなり偏った女性論と感じた。
2020/09/05
片瀬
約40年前に書かれたエッセイですが、結構楽しめました。“やり手”だった著者が、女性の何たるかを医者・作家の立場から考察します。「結婚は愛の墓場だ」、渡辺さんらしい強烈な断定表現です。男の人はロマンチストで、女の人は肉欲に生きている、というのは新鮮でした。「男性ありきの女性」という思想は、今ではもう古風ですか。
2015/05/17
志田健治
コツコツ読んできましたが、遂に読了しました。すごく読みやすいのですがなんとなく時間をかけたのです。これ、女性が読んだらきっと怒るだろうな、という点も多々ありましたが、もっと早くこの本を読んでいたら、自分の人生(女性と関わる)は変わっていたのではなかろうかというほどの目から鱗ぶりでした。なんと自分は女性のことを知らなかったのか……。それだけで失礼なことをたくさんしてきてしまったような想いです。そしてこの本に限ったことではないのですが、故人の作家と意識を共有する感覚が不思議でした。彼の小説も読んでみよう。
2015/09/17
秋はeuglena
^_^
うちこ
昭和52年の本です。今じゃ出せないと思う。ベースは女体論なのだけど、比較で男体も出てくる。 かなり踏み込んだ内容にそこから発生する心のはたらきまでみっちりと書かれています。情報化社会になればなるほど、書かれないことが増えていくところに切り込んでる。 わたしはあまり小説を読まないので渡辺淳一さんのことは「失楽園」や「うたかた」を書いた小説家さんであることしか知らず、もともとお医者さんであったことをこの本で知りました。このおそろしく経験に基づいた、ここまでの視点をもった上での小説なんだろうな。気になる。
2012/05/29
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