空とぶライオン (佐野洋子の絵本 5)
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空とぶライオン (佐野洋子の絵本 5) / 感想・レビュー
つくよみ
図書館本:りっぱなたてがみを持つライオン、そのたてがみを見に集まってくるねこたちに、親切心からごちそうをしてあげようと、ライオンは日々、空を駆けて獲物を狩る。が、ねこたちは感謝の言葉も無しに、それを当たり前と思うようになる。毎日の事に疲れを感じつつ、それでも期待に応えようとするライオン。その疲れがピークに達したとき、ついにライオンは・・・?ざっくりとしたタッチで描かれた絵が、ライオンの生命力と、ねこたちの狡さを強調している。長い時間の後、こねこの優しい言葉で復活したライオンにホッとした。
2013/10/22
megumiahuru
久しぶりに胸にズドンときました。本当は疲れているのに「疲れた」と言えないライオン。期待と重圧に懸命に答えても、ねぎらいの言葉ひとつかけられないライオン。できて当たり前。できなければブーイングの嵐。「そのよ、ライオンは『つかれた。』といって、さめざめとなきました。」わかるよ!ライオン君!わかるよ!僕もいつもトイレで一人泣いているんだ!でもたった一人でも誰かが分かってくれていると思うだけで、ほんの小さなやさしさだけで、また1日がんばろうと思えるんだよね。佐野洋子さん、ありがとう。ゆっくりお休みください!
2014/06/07
masa@レビューお休み中
いさましいライオン。そのライオンに群がる猫たち。格好良くて、勇ましくて、優しくて、そんなライオンを慕う猫たち。猫がほめるとライオンは空を飛ぶ。でも、ライオンにも弱音を吐きたくなるときがあるんだ。きっと、このお話は誰が良いとか、誰が悪いということは言っていないんだと思う。ライオンは格好良いだけではない。格好悪いところも、弱々しいところもあるはずなんだ。ライオンのそんな一面を受け入れてあげて欲しい・・・そう切に願ってしまうんだ。
2012/09/11
アクビちゃん@新潮部😻
【図書館】「365日、まいにち絵本」に紹介されていた絵本。頼られるライオンと、頼る猫たち。その姿を家族にみたて、勤労感謝の日の読み聞かせに紹介されていました。たまには、お父さんも甘えたいですよね。うちの旦那は、頼りにならず、私の方が甘えたいですよー。なんて思ったのは、子どもたちには内緒(笑)
2017/11/20
りらこ
授業のために読了。なんと難しい本だろう。ライオンはなぜ「たてがみを見に来る猫たち」にご馳走したくなるのだろう。疲労困憊するまでもてなし続けるライオン。その姿に感心しながら甘受し続ける猫たち。肉体も精神も力尽きてしまうライオン。その心の真髄を言い当てる存在に出会った時、氷解して復活するライオン。猫は新訳で「バラバ!」と叫んだ衆愚なのか、それとも。多分授業でも子どもたちは悩むだろうわからないだろう。そこから何かカケラが心に刺されば良いのだ。
2021/06/12
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