さらば幽霊: 自選短編集 (講談社文庫 こ 4-3)
さらば幽霊: 自選短編集 (講談社文庫 こ 4-3) / 感想・レビュー
マーブル
現代にさとるのお化けが生き残っているとしたら。『さとるの化物』花と意志が交わせるとしたら。『花のこころ』 囲碁の“セキ“の状態があったとしたら。『安置所の碁打ち』昔話を語れる人が超高齢者しか残っていなかったら。『ムカシむかし……』八百比丘尼が現代まで生き残っていたら。『比丘尼の死』11編納められているが、中にはテーマを推測して書いただけでネタバレになってしまう恐れがある作品もあるのでこの辺にしておくが、なるほど読み終えた後に、思いついたこんなテーマから広がっていったのでは、と想像するのは非常に面白い。
2021/07/01
ちる
何度目かの再読。怪奇短編集です。初めて読んだとき、『さとるの化物』で見事にしてやられた記憶があります。『忘れられた土地』では、現代人の信仰に対するメッセージを感じてみたり。『骨』は、言いようもない不安感があります。この本、実は私の親の蔵書だったもの。奥付を見ると昭和53年の第12刷となっていますし、値段はなんと260円。物価が違うとはいえ、羨ましいお手頃価格です。
2013/08/15
しんこい
幽霊がちまたにあふれてどうなるかと思えば、という表題作のほか800年生きる比丘尼の話も現代がいかに過去を断ち切るようなことをやってしまったか、公害や開発優先の時代だったことを感じます。地層から骨がザクザク出てくる骨も気になるし、ビッグデータの時代を予測していたような記述もありで、怪奇以外でも読み応えあり。
2013/04/12
なつ
表題作がユーモラスで好き。「もともと私たちはこの世界の先住民だったんですよ。」ってセリフにごもっとも!と思った。
2012/05/15
azimuth
再読。思いのほか情景描写が凝っていて驚く。知識豊かな人だという印象で、筒井康隆の解説にもそう書いてある。長持ちがらがっちゃがっちゃ。「保護鳥」がよいね。
2012/02/05
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