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猫は知っていた (講談社文庫 に 2-1)

猫は知っていた (講談社文庫 に 2-1)

猫は知っていた (講談社文庫 に 2-1)

作家
仁木悦子
村上 豊
出版社
講談社
発売日
1975-01-28
ISBN
9784061360150
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猫は知っていた (講談社文庫 に 2-1) / 感想・レビュー

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散文の詞

遅読のススメで4ヶ月かけて読みました。 びっくりするくらいの漢字の少なさと、そのせいでルビも少ないです。なので、多少読みづらいとも言えますが、逆に読みやすいとも言えます。 王道を踏みたかったのかと思うくらいスタンダードな犯人と力業のトリックがちょっと残念でした。しかし、各所に散りばめられた小さな謎の数々が少しずつ解き明かされるのは、飽きさせません。 例えば、最初の方に出てくる英一の書斎からなくなっている物とか、なぜ、祖母は物置に閉じ込められたのかとかです。 この後のことも気になりますね。仁木兄妹に幸あれ。

2024/01/04

HANA

病院に下宿する事となった主人公兄妹。ところが引っ越し早々院長の義母が殺され入院患者が行方不明となる事件が勃発し…。内容は極めて正統的なパズラー。事件直後現場からの抜け穴が発覚するのであるが、その抜け穴の使い方が実に上手い。コレの通行化と不可によって犯人とそのトリックが判明する部分は、ミステリ好きの血を騒がせるものがあるなあ。病院に下宿とか防空壕とか時代を感じさせる部分も良し。陰惨な事件を扱いながらも主人公たちの存在によって内容自体は明るく、著者が「日本のクリスティー」と呼ばれる理由が分かった気がします。

2024/03/02

ジャムうどん@アカウント移動してごはんになります

第三回江戸川乱歩賞受賞作。1,2回は一般公募ではなかったらしいので事実上初の受賞作と言えそうです。かなり昔の作品のためか、言動や行動に時代を感じました。兄妹が協力しながら、殺人事件の謎に迫っていくという設定は、現代ではそこまで真新しさを感じることは出来ませんが、現在読んでも色あせることがないのは、やはり推理物としての単純な面白さにある気がします。「猫」を生かしたとんでもトリックに、とんでもない動機。また、事件は暗さを帯びているのにもかかわらず、読後感はすっきりとしている印象を受けました。時代を超えた名作。

2016/06/15

http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2021/11/post-985e96.html 最初のレビューと、(結果的に)同じようなことを書いています。

2021/11/05

*maru*

仁木悦子初読み。『ペルシャ猫の謎』からの猫繋がりでずっと本棚に眠っていたこちらに着手。日本のクリスティと表される著者と同名の仁木兄妹が下宿する病院で連続殺人事件が発生。殺害方法や内容は結構残忍なのに陰鬱さは微塵も無く、リズミカルなストーリー展開や仁木兄妹の明るさのお陰で軽快に読み進められる。すべての謎にも明快な回答を得られ、身勝手と言える事件の真相や動機にも妙に納得。非常に丁寧に作り込まれた、鮮やかな作品。これは面白かった。

2017/05/17

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