濡れた心 (講談社文庫 た 17-1)
濡れた心 (講談社文庫 た 17-1) / 感想・レビュー
たか
第四回江戸川乱歩賞受賞作。初期の江戸川乱歩賞受賞作は、まだスタイルが確立されていなかったのか、『何で?』という作品もある。本書もその一つで、女性の同性愛小説という感じで、ミステリとはちょっとイメージが違う。D評価
2018/02/19
ヨーコ・オクダ
誰もが愛したくなる、守りたくなる、独占したくなる…神秘的美少女高校生・典子。そんな彼女が同性愛と異性愛の間で揺れ動くのを取り巻きの男女たちが静観できるわけがなく。まずは1人が拳銃で、続いて1人がナイフで殺害される。各人の日記でその心情や状況がフェアに綴られていくが、殺人に手を染めたのは誰なのか?1人目が殺されるまでの、レズビアン話を中心としたウダウダがちょっとまどろっこしい。事件が起こってからは割とスムーズに進行。どちらの殺害事件も若干無理ゲー的なところが含まれるのが気になるものの、ラストは切ない系。
2022/02/13
浅木原
約60年前の百合小説。文学少女とスポーツ少女と秀才少女の三角関係から事件が生まれる百合ミステリでしてよ。何せ60年前の話なので現代的なリアリティは絶無で(拳銃の扱いどうなっとんねんと思ったら銃刀法施行前!)、なんで関係者が全員小説みたいな日記書いとんねんというツッコミを抜きにしても全てにおいてあまりに時代がかってるんだけど、一周回ってなんかそういう世界として成立してしまっている感がある。ミステリとしても別に面白みのあるものではないけど、時代がかった百合小説としてはけっこう楽しいので、そう読むのが正解かな。
2015/05/02
もぐもぐチョビたん
乱歩賞第4回。登場人物10人の日記をザッピングしながら物語が進む。女性の同性愛をテーマとしたのが斬新。緊迫感には欠けるもののシンプルで引き込まれる。日記形式なので各人物の心情がよく伝わってくる。全員変わった名前で読み終わった今もなんて読むのかわからない…。第3回の時に仁木さんと争い落選し第4回で受賞。乱歩は『猫は知っていた』を80とし、この作品を70点と1人ずば抜けた採点をした。読みやすくて面白かったけど恋愛要素が強くミステリーが薄かったため不評だったのか?
2011/12/24
tai65
星3・5
2015/06/07
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