ガラスの絆 (講談社文庫 な 2-4)
ガラスの絆 (講談社文庫 な 2-4) / 感想・レビュー
星落秋風五丈原
美しい蔓薔薇と高麗芝の敷かれた洋館で、治子は五歳になる一人息子の信之と建材メーカーの社長である夫と明るい家庭を築いていた。だが、この家庭にも不安があった。それは、結婚後、数年たっても妊娠のきざしがないことから人工授精を受けて生まれた信之の本当の父親は、夫なのかドナー(精子提供者)なのか不明なことだった。そして、ある日ドナーと名乗る男の出現によって平穏な家庭に大きな亀裂が生じていった。脆い一本の試験管につながれた母と子の強い絆。表題作ほか日常生活のなかで遭遇する事件をテーマに女性の微妙な心理を描いた作品集。
1989/01/01
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