D機関情報 (講談社文庫 に 1-3)
D機関情報 (講談社文庫 に 1-3) / 感想・レビュー
夢追人009
西村氏の第3作です。第2次世界大戦末期の中立国スイスを舞台にした敵味方が混在する入り組んだ冒険スパイ小説の趣向ですが、やはり本書を読んだ方の誰もが肯かれるだろう最大の肝はラストに漂う切ない哀感でしょうね。今井書記官の関谷中佐への思い遣りに満ちた最後の言葉が嬉しくて思わず胸が熱くなりましたね。ミステリーの小細工や何やかやは記憶から消えて行ってもこういう人の心を動かす感動的なシーンは長く読み手の心に刻まれるだろうと信じますし、西村氏の作品中でも最上の部類と言える印象的で素晴らしいエンディングだと思いましたね。
2018/03/16
雪紫
読友さんからのおすすめ(春陽文庫が見つからなかったのでこちらで登録)。テンポが良く二転三転する展開にキャラ立ちの良さもあるから読んでくうちに忘れてしまう・・・。作中における年代に起きた現実を。それゆえに望み叶わず破滅に陥る人々を見るしかない悲劇と結末を持ってそれを痛感した。・・・最後の一文にこの物語のすべてが詰まっている。
2021/09/25
はらぺこ
スパイ小説。 『ジョーカーゲーム』の「D機関」と関係が有るのか気になったので読んでみた。 主人公はスパイじゃなくて海軍の関根中佐。舞台はスイス。周りは各国のスパイだらけ。「私は××国のスパイです」って名乗る事は無いので憶測かも知れない。 超人的な活躍をするわけでは無いけど楽しめた。 全体的に読点が多くて読み難く感じる事もあった。 実話を基にしたフィクション。 古いけど読む価値は有り。 「ジョーカーゲーム」の話はコメント欄へ
2011/03/13
金吾
○昔映画があったと記憶しています。誰が味方か敵かわからない状態で話が進んでいき、ドキドキしながら読んでしまいました。最後の文章がこの作品をすごい話にしたように感じました。
2024/10/30
ヤギ郎
読友さんがおすすめしていたので、さっそく購入してみた。1987年に出版された西村京太郎によるスパイ小説。第二次世界大戦中、艦隊司令部とケンカをして前線から戻された主人公の海軍中佐は、密命を帯びてヨーロッパへ渡った。先にヨーロッパへ渡った友人が謎の死を遂げた情報を聞く。目的地であるスイスへ向かう途中に空爆に巻き込まれ、同行者も突然消えてしまう。諜報戦が繰り広げられるスイスで、国家の未来と軍人としての使命の間に揺れる主人公を描く。最後の一行がスパイという仕事の難しさが詰まっている。
2021/10/07
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