月の珊瑚(星海社朗読館) (星海社FICTIONS)
月の珊瑚(星海社朗読館) (星海社FICTIONS) / 感想・レビュー
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「光る海。謳う珊瑚。――今も、貴方に恋をしている」。奈須きのこ新境地のSF短編。遠い未来、文明の衰退しきった地球の片隅。小さな島のコロニーに住む少女は今日も求婚者に無理難題をふっかけて追い返していた。ある日少女のもとに小さなしゃべるブリキ人形がやってきて……。奈須きのこが紡ぎ、逢倉千尋が描き、坂本真綾が吟ずる、かぐや姫をモチーフにした恋物語。これほど文章をじっくりと味わったのはいつ以来か?大半を朗読と併せて文字を追った。こういう風にじっくりと時間をかけた読書もたまには良い。貸してくれたKEIさんに感謝。
2012/01/08
こよみ
漫画版と比べるとシンプルな感じ 珪素姫はひいおばあちゃんだったのか 中二病バトルとか書いてるけど感性は中性的だよなこの作者
2014/06/25
東雲
奈須きのこによるSF恋愛ファンタジー。高校生当時には手を出すか迷う値段だったが、今なら買えちゃうんだなこれが、とコミックス愛蔵版と共に取り寄せて購入。漫画→小説→CD→漫画と、とても良い順番で楽しめたと思う。小説版しか読んでいない人には漫画版も強く勧めたい。漫画版にしかない表現はこの物語をより深く理解し浸る縁となる。元からSFが嫌いではないこともあるが、それにしても何故こんなにも人の心の機微を雄弁に語ることができるのだろう…。短いながらも物語として美しく完結していて、朗読CD含め眠れない夜のお供に最適だ。
2019/06/02
不見木 叫
西暦が失われた未来、月と地球を舞台とした恋愛SFストーリー。リズム感のある文章が美しい。前半を受けた後半で全貌が明らかになる構成はホワイダニットミステリのようでもある。
2019/05/24
琴音
切ない、恋のお話。『この星からは多くのモノが失われたけれど、その最たるものは、人を愛する気持ちだという』『そんな私が、人を愛する道理がない』『―――でも、君に恋をした』『そうか。恋を知る為に、私は月に昇ったらしい』坂本真綾さんによる、幻想的な世界観を表現する音読で心行くまで堪能しました。近未来、宇宙、月…それらから連想されていく、日常とはかけ離れた情景が繊細でなおかつ美しいものでした。
2012/03/23
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