左巻キ式ラストリゾート (星海社文庫 ウ 3-1)
左巻キ式ラストリゾート (星海社文庫 ウ 3-1) / 感想・レビュー
中玉ケビン砂糖
、「奇書中の奇書」とは言われているものの、中身は実際しょうもない、アンチ・ミステリ的なメタフィクションだ、友人からお土産として久々に会った記念に贈られたのだが、『その女アレックス』に次いで話題の本だった、などと言うからその書店のセンスを疑ってみたりする、もともとエロゲのスクリプトだったイロモノを、著者自身がDTPの凝ったデザインを手がけ、本として出すという試みだけに評価が集まる
2015/01/11
いりあ
海猫沢めろんが2004年に発表したデビュー作。ぴぃちぐみの"ぷに☆ふご~"という美少女ソフトからのスピンオフの小説。星海社文庫は、よくこれを再販する気になったなというのが正直な感想、しかも一般向け小説として。いわゆる「ゼロ年代」「セカイ系」という括りに、がっつりハマる作品です。今だと、ここで使われている内容や文体や構成など一般的になってしまった向きもあり、当時のようなセンセーショナルな衝撃は薄れていますが、それでも10年前にこれだけのものを完成させていたというのは驚きです。ラストが爽やかに終わるのが救い。
2014/07/14
harass
エロゲ(PCで動作する紙芝居ポルノ)のスピンオフ作品を書き直し再販されたもの。 目覚めた主人公は、12人の美少女が暮らす学園で起きる連続強姦事件に巻き込まれるのだが…… あざとく意図的で記号ばかりの凡庸なお約束ばかりで読んでいて頭を捻ったのだが…… メタフィクションであり、ある種の感動があった。十代後半で読んでいればと、そして時代も感じる内容だ。解説は東浩紀で、この特異な作家のデビュー作であり、才能を感じる。強くおすすめできないが記録として残る怪作。この作家のファンであればぜひ。
2015/11/29
miroku
ゼロ年代の始発駅みたいな作品。エロくてグロテスクでハイテンションで理屈っぽいと言うか詭弁でセカイ系。この怒涛の勢いは好きだ。
2017/10/02
とら
流石に奇書ですわ…ドグラマグラなんかよりも全然。だってあちらは普通に読めるからね。こっちは文字だって分かってるのに目を逸らしたくなるくらいには凄惨な文章の連続。でも何か自らの内に秘めたものを吐き出したいという衝動は痛いほど伝わってくる。何を言ってるかは分からないにしても、その衝動だけは伝わってくる。本気なんだと分かる。だって行動でも示してしまっているから。いわゆるサブカルなんだけど、ゼロ年代の衝動の総てを詰め込んだってのも分かる。ゼロ年代のサブカルを説明しろと言われたら黙ってこの本を差し出すくらいには。
2016/02/17
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