夏樹静子作品集 9
夏樹静子作品集 9 / 感想・レビュー
星落秋風五丈原
「遠ざかる影」(昭和50年)主人公の26才の若い保母中谷遼子が、臨終間際の母親から龍門寺拓男という中国で生き別れになった実の父親が別にいると聞かされて、父親探しを始める。犯人当て興味豊かな本格推理小説。中国に残留して遼子の誕生も知らずにいた龍門寺拓男は、戦争中ビルマの奥地に戦友の古山紘と共にいて、ルビーの原石を手に入れ、それを元手に戦後、宝石会社の竜宝商会を設立、現在も社長の要職にあり、近く彫刻家の岸川万梨子と結婚する事になっていた。その幸福の絶頂にあるはずの龍門寺拓男。
2004/06/29
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