神と仏 (講談社現代新書 698)
神と仏 (講談社現代新書 698) / 感想・レビュー
ピンガペンギン
著者は京都の国際日本文化研究センターで教授だった。(私も当時、京都で学生だったのでそういう親近感がある。)お名前は知っていたが初めて著書を読んだ。日本文化のなかのカミ、ホトケについて読みやすい文章で学べる。なお著者の本のうちで松岡正剛さんのおすすめは「神と翁」で、この薄い本にも翁の面の写真なども出ている。著者の父は浄土真宗の僧侶で米国に伝道に行っていた。家族で引き揚げてきている。この語るような文の上手さは天性か。巡礼の原体験という項目が興味深い。P159「今日、巡礼や遍路というものは当然のように人間の→
2023/02/27
ヨミナガラ
(第四章→)“カミの祟り性とホトケの鎮魂作用という対抗関係の図式を私は提出したが〔…〕このような〔…〕相互補完的な関係こそ〔…〕日本文化における雑種性や重層性といった問題を説明したり解明したりするための鍵ではないか”(第二・三・五章→)“われわれは、カミやホトケを信仰すると同時に、カミとともに生きることを夢み、ホトケの世界をみずからも体験したいという期待をもって生きている”“その夢や期待を現実のものにしようとするとき、われわれはわれわれの身心という小宇宙(ミクロコスモス)を媒介にしてそうするほかはない。”
2014/07/09
おっくー
神と仏。日本の宗教の根源を考察する本。性質の違う宗教が融合し、宗教儀式を意識せずに実行している日本人が大勢いる現代において、疑問点が多くあり、今後も宗教観について探求したい。
2018/04/07
へんかんへん
SFから話に入るとこ面白い
2016/02/28
眉毛ごもら
再読。月面に立った宇宙飛行士達の内何人かが神を感じ信仰の道に入った、そんな導入から始まる。日本における日本人の宗教感とはふわっとしたところがあると思っているがそれについて書いた本である。ふわっとしている部分に焦点を当てているので個々の信仰の経緯だとか神や仏の由来や教義についてはメインではない。哲学的だなと思うところもありますな。どういう宗教観があるのかイタコ山伏巡礼者、祟るカミ鎮める仏、女性的な観音様と童子の地蔵父権的な不動明王等を例に。読後感はふわふわ~である。日本人の宗教感に核が無いのかなとも感じた。
2022/05/16
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